京都大学は、2019年に公開された日米欧のiPS細胞データベース情報を統合したウェブサイト「幹細胞バンクデータ統合コレクション(ICSCB)」に登録されたデータを解析し、国際協力論文として報告した。
京都大学は2021年3月19日、2019年に公開された日米欧のiPS細胞データベース情報を統合したウェブサイト「幹細胞バンクデータ統合コレクション」(Integrated Collection of Stem Cell Bank data by MIACARM:ICSCB)に登録されたデータを解析し、国際協力論文として報告したと発表した。
今回、日米欧の9つの機関に所属する研究者15人が国際協力して、世界中で樹立されたiPS細胞やES細胞について統計解析した。
世界のバンクなどに存在する細胞株の約91%を所有する10の主要な幹細胞バンクやレジストリーを統合して、36カ国から1万6000件以上のデータおよび患者から作製した6000以上の幹細胞株について解析した結果、登録細胞の64%以上が日米英からの細胞株であり、そのうちの80%以上がiPS細胞で、残りはES細胞や線維芽細胞などだった。
また、疾患の種類は1000種類以上で、神経系疾患が44.9%と最も多く、遺伝性疾患13.1%、内分泌系疾患7.9%、心血管系疾患7.8%、精神疾患6.6%と続いた。
ICSCBは、日米欧で樹立されたiPS細胞の検索一元化を目的として、RIKEN BRC、SKIP、hPSCreg、eagle-iという4つの主要データベースを統合して公開された。しかし、これまで世界中の幹細胞バンクによるiPS細胞株数や疾患特異的iPS細胞の樹立状況を調査することは難しかった。
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