デンソーウェーブは2021年4月1日、デンソーロボットをAI(人工知能)でリアルタイムに制御する汎用ソフトウェア「AI模倣学習」の出荷を開始した。
デンソーウェーブは2021年4月1日、デンソーロボットをAI(人工知能)でリアルタイムに制御する汎用ソフトウェア「AI模倣学習」の出荷を開始した。
「AI模倣学習」は、ロボットの動きと複数のセンサーの情報をAIが学習し、従来はプログラミングでロボットを制御することが難しかった熟練作業者の勘やコツなどの作業の再現を可能にすることを目指したものだ。
生産性向上や人手不足を背景にさまざまな分野で自動化やロボット導入が広がっているが、ロボットの制御や動作のプログラミングには専門知識が必要で、導入や運用が難しいという課題が顕在化している。加えて、ロボットを導入して自動化が進んだ場合でも、ロボットの動作が条件によって多様に変化する作業では、それぞれに応じたロボットの動きを設計する必要があり、プログラミングに多大な負荷がかかっていた。これらの課題を解決するためにデンソーウェーブでは2017年から開発を進め、今回「AI模倣学習」を商品化した。
このソフトウェアの核となるAIは、米国Google出身のエンジニアが設立したAI企業のintegral AIが開発。1台の産業用PCで周辺機器からのデータの収集、学習、推論の全てを完結させることが可能なシンプルなシステム構成となっている。また、従来のAIシステムに多く見られた学習のための都度費用や回数の制限もなく、自由に推論モデルを構築できる。そのため専門のAIエンジニアに依頼しなくてもユーザー自らがPoC(概念実証)を行い、トレーニングやスキルの習得を行える。
さらに、安定した稼働のために同一のソフトウェアを使い続けたいFA業界と、常に最新のバージョンを提供するAI業界の差異を解消するため、毎年のバージョンアップによる最新AI技術の提供だけではなく、旧バージョンの長期提供やリリース後3年までのバグ対応などのサポートも行うという。価格はオープン価格で、業界や用途を問わず幅広い分野での導入を目指す。
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