1台で頭部と乳房を検査できる、TOF-PET装置を発売医療機器ニュース

島津製作所は、頭部と乳房の検査に特化したTOF-PET装置「BresTome」を販売した。検出器ホールに最新の半導体検出器を採用し、従来の全身用PET装置と比較して、約2倍となる解像度を備えている。

» 2021年03月17日 16時00分 公開
[MONOist]

 島津製作所は2021年3月1日、頭部と乳房の検査に特化したTOF(Time Of Flight)-PET装置「BresTome(ブレスト―ム)」を発売した。検出器ホールに最新の半導体検出器を採用し、操作ボタンで頭部用または乳房用に切り替えて使用する。

キャプション TOF-PET装置「BresTome」。左は頭部モード、右は乳房モード(クリックで拡大) 出典:島津製作所

 SiPM(Silicon Photomultiplier)検出器を搭載し、2.1mm角のLuを含むシンチレータを光学結合してモジュール化することで、空間分解能を高めた。従来の全身用PET装置と比較して、約2倍となる解像度を備える。

 乳房検査では乳房専用PETと同等の高精細画像を提供し、胸壁近くまで撮像が可能だ。また、直径30cmの近接型検出器ホールにより、高感度、高スループットで検査を実施し、脳内の薬物動態を高精細に捉える。

 操作は、本体上のタッチパネルモニターで行える。撮影位置の調整や減弱補正にCT像を使用しないため、被検者の被ばくを低減できる。

 同社は、保険適用の脳腫瘍やてんかんの臨床診療、保険未適用のアルツハイマー型認知症など、各種神経変性疾患の診療研究での応用ができるとしている。

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