ウイルスのシミュレーション解析でパリ管弦楽団のコンサートホール再開を支援CAEニュース

Dassault Systemesは、シミュレーション解析を用いて、パリ管弦楽団本拠地のホール再開のための安全対策を支援した。ホールの3Dバーチャルモデルを作成し、ウイルス粒子の拡散やマスク着用の有効性などを評価した。

» 2021年01月13日 13時00分 公開
[MONOist]

 Dassault Systemes(ダッソー・システムズ)は2020年12月23日、シミュレーション解析を用いて、フランスのパリ管弦楽団本拠地のホール再開のための安全対策を支援したと発表した。同ホールは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴うロックダウン解除後に向けて、安全対策を進めている。

 大規模複合施設「フィルハーモニー・ド・パリ」の大ホール「Grande salle Pierre Boulez」は、2400の各客席に新鮮な空気を静かに取り込み、方向やスピードを調整できる換気システムを設置している。

 ダッソーは、ホールから提供されたデータを基に、満席のコンサートホールの3Dバーチャルモデルを作成し、同社のシミュレーションソフトウェアで最上階のバルコニー席からオーケストラフロアまでの空気の流れを視覚化。空気の流れによるウイルス粒子の拡散や、マスク着用の有効性などを評価した。

マスク着用の有効性を評価 マスク着用の有効性を評価(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ

 例えば、ウイルスに感染した観客1人がせきをした際に、放出されたウイルス粒子の濃度をシミュレーションすることができた。その結果、観客がマスクを装着し、各客席の換気を通常の50%とした場合、ウイルスの拡散リスクが低いことが分かった。

 また、放出された粒子が他の観客や音楽家、指揮者に広がる様子のデモを実施。換気システムは空気の横方向への動きを限定し、観客や音楽家の後ろに向けることで、感染リスクを軽減するという。

 マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など、既に実施中の感染予防対策の有効性も評価した。これらの対策が特定エリアで適切であると確認するとともに、新たな施策追加の必要性も検証した。

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