JNCと東京農工大学は、熱応答性磁性ナノ粒子と抗原認識試薬を活用した、迅速かつ高感度の免疫診断技術「AptIa法」を共同開発し、新型コロナウイルスの検出に成功した。
JNCは2020年11月24日、迅速かつ高感度の免疫診断技術「AptIa(アプティア)法」を開発し、新型コロナウイルスの高感度検出に成功したと発表した。
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AptIa法は、JNCの熱応答性磁性ナノ粒子「サーマ・マックス(Therma-Max)」と、東京農工大学 教授の池袋一典氏が開発した抗原認識試薬「DNAアプタマー」を利用。これらを検体と混ぜ合わせると、抗原があった場合に複合体を形成するため、濁度を測定することで新型コロナウイルスを検出できる。
従来の抗原検査キットでは2種類の抗体を必要とするが、AptIa法は1種類のDNAアプタマーで抗原を検出できる。感度はELISA法の1〜10倍高く、所要時間はELISA法の2分の1〜3分の1程度、価格は抗体利用時の2分の1〜10分の1程度に抑えられる。
インフルエンザウイルスに結合するDNAアプタマーを併用することで、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検出も可能だ。計測に濁度計を用いるため、モバイル化にも対応する。
また、DNAアダプターは、迅速な分子設計と人工合成が可能で、変異を繰り返すウイルスへの対応も期待できる。AptIa法とJNCのペーパークロマト法を組み合わせ、唾液による新型コロナウイルスの簡易抗原検査キット(目視判定)への応用も見込まれる。
両者は今後、診断薬メーカーなど共同開発先を広く募集し、商品化を目指すとしている。
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