ネットワークカメラを活用して組み込みソフトのテストをリモート化するアプリIoT&5Gソリューション展

ハートランド・データは、「第6回 組み込み/エッジ コンピューティング展 秋」で、組み込みシステムをはじめとするソフトウェア開発時のアナログ/デジタルデータ収集や解析を行うテストツール群「DTシリーズ」を展示した。中でも、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて高まった、リモートテスト用のアプリケーション「DT+Camera」は注目度も高かった。

» 2020年11月04日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 ハートランド・データは、「第6回 組み込み/エッジ コンピューティング展 秋」(2020年10月28〜30日、幕張メッセ)において、組み込みシステムをはじめとするソフトウェア開発に関連したアナログ/デジタルデータ収集や解析を行うテストツール群「DTシリーズ」を展示した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けてニーズが高まった、遠隔地からテストの様子を監視するリモートテスト用のアプリケーションなども新しく展示した。

コロナ禍で高まった「リモートテスト」のニーズ

 DTシリーズは「DT+Trace」「DT+Analog」「DT+Camera」の3つのアプリケーション群と、データ収集用ハードウェア「DBOX+」をセットにした構成で販売される。このうち、DT+CameraはCOVID-19によってリアルでのテスト監視が困難になったことを受けて、課題解決のために新規に開発したものである。

DT+Cameraにデータ収集用ハードウェアやネットワークカメラなどを組み合わせた構成[クリックして拡大]

 DT+CameraはPCや計測機器、基板などを設置したテストルームに複数台のネットワークカメラを設置して、自宅などの遠隔地からのテスト環境監視などを可能にする。基板や計測機器などの実機動作の確認の他、開発中のアプリケーションなど、ソフトウェアの状態を示したPC画面を撮影し、映像を独自フォーマット化した上で監視者のPCにリアルタイム送信する。ネットワークカメラは128GBのSDカードを搭載可能で、10fpsであれば最大約8日間分の録画が可能。

 ハートランド・データの説明員は「PCの表示画面程度なら、リモートデスクトップを使えば、自宅PCから少なくとも見ること自体は技術的に可能だ。ただ、開発用PCのOSが古すぎてリモートデスクトップを使えないという企業も多い。この場合、カメラで撮影する手法が有用だ」と語る。

DT+Cameraの表示画面イメージ[クリックして拡大]

 同担当者はDT+Cameraのもう1つの特徴として、リモート特有のセキュリティ脅威に対して十分な対策を講じている点を挙げた。録画したデータはmp4とは異なる独自の映像フォーマットで保存される。このフォーマットはDT+Camera上でしか再生できない。このため「カメラが不正アクセスを受けた場合、あるいはSDカードを紛失した場合にも、録画データが外部に流出するリスクが低い」(同説明員)という。

 この他のアプリケーションとして、DT+Traceは組み込みシステムやWindowsアプリケーションのソースコードの動作をリアルタイムでトレースする。CPUやOSに依存することなく、関数ごとの実行時間や処理時間、実行プロセスの遷移などをグラフなどで見える化する。最大30日間の連続トレースにも対応可能だ。

 DT+Analogはハードウェアが発するアナログ信号の波形データをロギングする。最大4chのアナログ信号の取得に対応しており、記録した波形データはいつでも検索して表示できる。DT+Traceとの連携によって、ソフトウェアのトレース結果と連動させる形で、波形データを確認することもできる。

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