Report Oceanは、「選択的レーザー焼結市場調査レポート」を発表した。2019年の同世界市場は約4123億5000万ドルと評価されており、2027年までに年平均成長率22.8%で成長すると予測している。
Report Oceanは2020年10月19日、「選択的レーザー焼結(SLS)市場調査レポート」を発表した。成長ドライバーや課題、競争環境、脅威といったSLS市場の主な動きに注目したレポートとなる。
同レポートは基準年を2019年とし、2017、2018年についても対象とする。予測期間は2020〜2027年となる。
SLSは、主にナイロン、ポリアミドといった粉末材料を焼結するための動力源としてレーザーを使用する積層造形(AM)の手法だ。世界のSLS市場は、2019年に約4123億5000万ドル(約43兆2431億円)と評価されており、2020〜2027年にかけて年平均成長率(CAGR)22.8%で成長すると予測される。
ヘルスケア、医療機器、3D機器のロボット構築などが、需要増加によって市場をリードしている。統計調査プラットフォームのStatistaによると、Advanced Roboticsの製造需要は今後4年間でCAGR46%で成長。2021年までに37億ドル(約3880億円)に達する見込みだ。
同市場の動向には、製造コストの削減と市場投入までの時間も関係している。フィラメントベースの溶融堆積モデリング(FDM)や粉末床溶融機、SLSなど業界全体で使用するためのプロトタイプの開発に、さまざまな3Dプリント技術が使用され、生産の加速を通じてコストを削減できる。
通常のプロセス制御が欠如していることや、SLSプリントソフトウェアの問題に加え、SLS機器に関連するアプリケーションの複雑さとリスクの高さは、市場の成長を妨げると懸念される。その一方で、航空宇宙や医療機器の製造部門での新しいアプリケーションは、市場にさまざまな機会を生み出すと考えられる。
SLSの世界市場は、アジア太平洋地域、北米、ヨーロッパ、中南米、その他の地域と地域別でも分析されている。北米は2017年にSLS機器市場で世界シェアを独占している。これには技術が進歩し、多様な業界で技術の採用が増えたことが影響しているとみられる。
アジア太平洋地域のSLS機器市場は、消費財、航空宇宙、自動車、ヘルスケア、宝飾品など複数の業種でSLS機器の採用が増加していることから、最速で成長すると予測している。
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