英国Raspberry Pi財団は、「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」の組み込みモジュール版となる「Raspberry Pi Compute Module 4」を発表。Armの「Cortex-A72」を4コア搭載する「BCM2711」はそのままに、RAMやフラッシュストレージの容量、無線通信機能の有無などによって変わる32品種を用意した。価格は25〜90米ドル。
英国Raspberry Pi財団は2020年10月19日(現地時間)、「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」の組み込みモジュール版となる「Raspberry Pi Compute Module 4」を開発したと発表した。Armの「Cortex-A72」を4コア搭載する「BCM2711」はそのままに、RAMやフラッシュストレージの容量、無線通信機能の有無などによって変わる32品種を用意した。価格は、RAM容量1GBで、ストレージとなるeMMCや無線通信インタフェースを持たないローエンドの品種が25米ドルで、RAM容量8GB、eMMC容量が32GB、無線通信インタフェースありのハイエンドの品種が90米ドル。国内でもスイッチサイエンスなどが販売を開始している。
シングルボードコンピュータであるRaspberry Piは初代モデルの「Raspberry Pi 1」から、産業機器への組み込み用途を中心としたSOM(System on Module)を提供している。2014年にRaspberry Pi 1、2017年に「Raspberry Pi 3」、2019年に「Raspberry Pi 3+」がSoMでCompute ModuleとしてSOM化されている(「Raspberry Pi 2」は製品提供期間が13カ月と短かったため、SOM化は見送られた)。
ラズパイ4のSOMであるRaspberry Pi Compute Module 4は、メインプロセッサであるBCM2711を共通コンポーネントとしながら、Wi-FiとBluetoothによる無線通信機能の有無、RAM容量は1GB、2GB、4GB、8GB、eMMC容量はeMMCなしの“Lite”の他、8GB、16GB、32GBから選択可能で、計32品種をそろえた。SOMの外形寸法は50×44mmで、動作温度範囲は0〜80℃、2028年1月までの量産を保証している。
Raspberry Pi Compute Module 4のフォームファクターは、JEDECのDDR2 SODIMMを採用していた従来のCompute Moduleから大幅に変更されている。DDR2 SODIMMベースのCompute Moduleは端部のコネクターがI/Oになっていたが、Raspberry Pi Compute Module 4はSOMの裏側にある2つの高密度コネクターで接続を行う。一方が電源と低速インタフェース、もう一方が高速インタフェースとなっている。これによってキャリアボードに搭載する際のフットプリントや容積を大幅に削減することが可能になった。
Raspberry Pi Compute Module 4に対応するキャリアボードとして「Compute Module 4 IO Board」を用意した。フルサイズのHDMIポート×2、ギガビットイーサネットポート×1、USB 2.0ポート×2、microSDメモリカードソケット×1、PCI Express Gen2ソケット×1、Raspberry Piの拡張基板の規格であるHATに対応する40ピンコネクター、12Vの電源入力ジャック、カメラとディスプレイ接続用のフレキシブプリント基板コネクターなどを備える。キャリアボード単体の価格は35米ドル。
この他、金属筐体を持つ機器で無線通信を行えるようにするホイップアンテナなどをセットにした「Compute Module 4 Antenna Kit」なども用意している。
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