現役競泳選手が発案した水泳フォーム矯正用パドル、試作開発に3Dプリンタ3Dプリンタニュース

Formlabsは、競泳選手でジュエリーブランドのアートディレクターを務める古賀淳也氏が、ジュエリー製作と水泳フォーム矯正用パドルの開発に、同社の光造形方式3Dプリンタ「Form 2」を採用したことを発表した。

» 2020年07月15日 06時30分 公開
[八木沢篤MONOist]

 Formlabsは2020年7月14日、競泳選手でジュエリーブランドのアートディレクターを務める古賀淳也氏が、ジュエリー製作と指に装着して水泳時のフォームを矯正する水泳フォーム矯正用パドルの開発に、同社の光造形(SLA)方式3Dプリンタ「Form 2」を採用したことを発表した。

 ジュエリー製作においては、Form 3/Form 2専用の高耐熱素材「High Temp Resin」を用いて出力したリングに、螺鈿(らでん)や漆による加工を施した作品を発表。水泳フォーム矯正用パドルの開発では、現役の競泳選手や一般スイマーの協力を得て試作開発を進めており、2020年度中の製品化を目指している。

「Form 2」を用いて「High Temp Resin」で造形したリングに会津塗職人が漆加工を施した作品(左)/同「Tough Resin」で造形した水泳フォーム矯正用パドル(右) 「Form 2」を用いて「High Temp Resin」で造形したリングに会津塗職人が漆加工を施した作品(左)/同「Tough Resin」で造形した水泳フォーム矯正用パドル(右) ※出典:Formlabs [クリックで拡大]

Form 2を採用した3つのポイント、アイデアの着想段階から導入を検討

 古賀氏は、2016年開催のリオデジャネイロオリンピックに競泳競技の日本代表選手として参加し、400mリレーのメンバーとして活躍。2018年、ドーピング検査で禁止物質が検出され、故意による摂取ではないことがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に認められるまでの約2年間、資格停止処分が課せられていた。その後、現役続行を表明。アスリートの“デュアルキャリア”の1つの方向性として、現役を続けながら、リタイア後も継続でき、競泳選手としてのキャリアを生かせる道として、製品開発を選択した。

 現在、デザイナーのyutaokuda氏との共同運営ブランド「Bucephalus」のアートディレクターとして、ジュエリー製作に取り組むと同時に、xR(VR/AR/MR)コンテンツを開発するカディンチェとともに、水泳フォーム矯正用パドルの開発も進めている。

 古賀氏がForm 2を導入したのは2018年12月のこと。試作開発をいち早く進めるべく、アイデアの着想段階から3Dプリンタの導入を検討していたという。Form 2選定のポイントとしては、特別な知識がなくても手間なく最適な出力結果が得られること、優れた造形品質、多種多様な素材への対応を挙げる。

古賀氏が水泳フォーム矯正用パドルの開発に用いている「Form 2」(左)と、自動洗浄ツール「Form Wash」(中央)および二次硬化ツール「Form Cure」(右) 古賀氏が水泳フォーム矯正用パドルの開発に用いている「Form 2」(左)と、自動洗浄ツール「Form Wash」(中央)および二次硬化ツール「Form Cure」(右) ※出典:Formlabs [クリックで拡大]

⇒ その他の「3Dプリンタ」関連ニュースはこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.