トヨタ自動車は2020年7月1日、ペダル踏み間違いによる急アクセル時の加速抑制機能を開発し、新車向けの「プラスサポート」や、後付け装置「踏み間違い加速抑制システムII」として発売したと発表した。プラスサポートは「プリウス」「プリウスPHV」から搭載し、今後対応車種を拡大する。
トヨタ自動車は2020年7月1日、ペダル踏み間違いによる急アクセル時の加速抑制機能を開発し、新車向けの「プラスサポート」や、後付け装置「踏み間違い加速抑制システムII」として発売したと発表した。プラスサポートは「プリウス」「プリウスPHV」から搭載し、今後対応車種を拡大する。
これまでは障害物を検知した際に、誤発進での加速を抑制したりブレーキを作動させたりする機能を展開してきた。今回発表した機能は、障害物がない場合の事故を防ぐ目的で開発した。開発にあたっては、踏み間違い事故でアクセルペダルが全開で踏まれた状況を分析するとともに、コネクテッドカーから得られたビッグデータから急加速が必要な状況を特定。これにより、障害物がない場合でも加速抑制を作動させることができる。
プラスサポートの特徴は、標準のスマートキーとは別に、専用の「プラスサポート用スマートキー」を用意した点だ。プラスサポート用スマートキーでドアロックを解除すると自動的に「プラスサポートモード」が起動し、ペダルの踏み間違い操作を検知すると進行方向に障害物がない場合でも加速を抑制する。既存のインテリジェントクリアランスソナーと併用することで、ペダル踏み間違い事故の抑止と被害軽減につなげる。標準のスマートキーで解錠した場合はプラスサポートは起動しない。
プラスサポートでは、方向指示器を操作した場面や、急な登り坂での発進時や加速時、ブレーキから踏み替えてアクセルペダルを踏んだ際には加速抑制を行わない。
踏み間違い加速抑制システムIIは、2015年12月〜2020年6月に生産したプリウスで、インテリジェントクリアランスソナー非搭載車から対応する。従来の後付け用踏み間違い加速抑制システムに、急アクセル時加速抑制機能を追加した。プラスサポートと同様に、前方に障害物がない場合でも加速抑制機能が働く。価格は従来よりも1万7600円安くなる。
トヨタ自動車では、国内の自動車メーカーに幅広く急アクセル時加速抑制機能の考え方などを共有しているという。すでに、トヨタ自動車とデンソーが共同開発した既存の後付け用踏み間違い加速抑制システムは複数社で導入しており、急アクセル時加速抑制機能も同様に普及が進みそうだ。
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