トヨタ自動車は2018年12月5日、販売済みの車両向けに後付けできるペダル踏み間違い加速抑制装置の販売を開始したと発表した。トヨタ自動車のシステムはデンソーと共同開発したもので、超音波センサーと表示器、コントローラーで構成されている。同日でダイハツ工業も同様の後付け用システムの発売を発表したが、別個に開発したものとなる。
トヨタ自動車は2018年12月5日、販売済みの車両向けに後付けできるペダル踏み間違い加速抑制装置の販売を開始したと発表した。トヨタ自動車のシステムはデンソーと共同開発したもので、超音波センサーと表示器、コントローラーで構成されている。同日でダイハツ工業も同様の後付け用システムの発売を発表したが、別個に開発したものとなる。
後付け用ペダル踏み間違い加速抑制装置は、トヨタ自動車、ダイハツ工業ともに量販車種の中で特に販売台数が多いモデルから設定を始める。トヨタ自動車は2009年5月18日〜2015年12月8日に販売された「プリウス」と2011年12月26日〜2018年4月2日に販売された「アクア」となる。ダイハツ工業は「タント」の先代モデル(※1)に設定する。
(※1)2007年12月から発売。2013年10月に全面改良して現行モデル。
トヨタ自動車の後付けシステムは、車両の前後に取り付けた超音波センサーで3m以内にある障害物や壁を検知し、ブザー音で注意喚起する。障害物がある状態でアクセルを強く踏み込んでしまった場合、加速を抑制して衝突被害を軽減する。後退時は、時速5km以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出すぎないように加速を抑制する。車内に設置する表示機は、とっさの時に高齢者でも分かりやすい表現とした。
ダイハツ工業のシステムも同様の機能だ。前後3m以内の障害物を検知している時にドライバーがアクセルペダルを強く速く踏み込むとペダルの踏み間違いだと判断する。コントローラーが燃料の供給をカットすることでエンジンの出力を抑える。また、パーキングセンサーとしての機能も兼ねる。
取り付け費用を除いた希望小売価格は、トヨタ自動車が5万5080円、ダイハツ工業が3万4560円。
交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査によれば、クルマが当事者となる事故に占めるペダルの踏み間違いによる事故の比率は、ドライバーが75歳以上だった場合に特に多い。次いで、65〜74歳と24歳以下でペダルの踏み間違いによる事故の比率が高い。運転免許を保有する高齢者が増えていくことから、踏み間違いによる事故の件数も増えていくと考えられる。
踏み間違い事故が起きる場所としては単路が最も多いが、65歳以上では駐車場やサービスエリアなどでの事故発生件数が近年増加傾向だ。ペダルを踏み間違う人的要因としては、慌てやパニック、加齢といった要因があるという。また、身体をひねりながら後方を目視した場合に右足の位置がずれてしまい、足先がアクセルペダルに近づくことも要因となっている可能性があるとしている。
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