トーヨータイヤ、ゴム材料開発に機械学習とデータマイニングソリューションを採用 : 製造IT導入事例
TOYO TIREは、SAS Institute Japanのデータマイニングおよび機械学習ソリューション「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」「SAS Optimization」を採用した。
SAS Institute Japan(SAS)は2020年4月28日、同社のデータマイニングおよび機械学習ソリューション「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」「SAS Optimization」を、TOYO TIRE(トーヨータイヤ)が採用したと発表した。ゴム材料の特性予測技術や材料構造の最適化技術開発に活用し、材料開発期間の短縮を図った。
TOYO TIREでは、材料設計基盤技術「Nano Balance Technology」により、材料をナノ(分子)レベルで観察、予測、機能創造、精密制御することで理想的なゴム材料を開発している。
このNano Balance Technologyを使った材料開発において、技術者の経験値と実験の高度化を模索しており、最大限有効に保有データを活用できる環境を整備。これにSASのマテリアルズインフォマティクス(MI)を適用することで、技術開発の加速と高度化を図った。
これまでの材料開発プロセスでは、研究者の材料調査から仮説を立案して実験シミュレーションをしていたが、SASのMI導入により、ゴム材料に関する情報をデータ化。SASのAI(人工知能)やビッグデータ解析技術を適用し、材料機能の予測や新材料、代替材料の探索を効率化した。これにより、材料開発期間の短縮に成功した。
それらの結果もデータとして蓄積され、次の材料開発に活用できる予測モデルやデータ基盤を構成した。併せて、業務の標準化や開発人材の育成、モデルの高度化などを継続的かつ組織的に取り組める環境も整ったとしている。
トーヨータイヤがマテリアルズインフォマティクス採用、新材料開発で
TOYO TIREは2020年4月22日、「マテリアルズインフォマティクス」を利用したゴム材料の特性予測技術や材料構造の最適化技術を開発したと発表した。新たに構築したシステムによって、材料の特性や配合の推測値を高精度に出力する。
AIでAIのための新材料が見つけられるのか、長瀬産業の取り組み
エレクトロニクス製造および実装技術の展示会である「インターネプコン ジャパン2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)の特別講演に、長瀬産業 執行役員 NVC室室長の折井靖光氏が登壇。「マテリアルズインフォマティクスプラットフォームの開発〜AIは新材料を見つけることができるのか?〜」をテーマに講演した。
全固体電池はマテリアルズインフォマティクスで、変わるパナソニックの材料研究
マテリアルズインフォマティクスによって二次電池や太陽電池の材料開発で成果を上げつつあるのがパナソニック。同社 テクノロジーイノベーション本部の本部長を務める相澤将徒氏と、マテリアルズインフォマティクス関連の施策を担当する同本部 パイオニアリングリサーチセンター 所長の水野洋氏に話を聞いた。
蓄電池材料の探索におけるマテリアルズ・インフォマティクス
蓄電池の材料を探索する方法として、ビッグデータやAIを応用したマテリアルズ・インフォマティクスからのアプローチが増えつつある。ダッソーの講演でハイスループット計算やベイズ最適化を適用した機械学習の適用例が語られた。
マツダの走りを陰で支える、高機能樹脂材料の開発秘話
マツダと聞くと「SKYACTIV」の名で知られるディーゼルエンジンやガソリンエンジンの燃焼技術、シャーシ技術や魂動デザインがイメージされる。SKYACTIVテクノロジーを実現する上でも重要な材料の開発技術にも力を入れている。とりわけ樹脂に関しては、軽量化やエコロジーの観点からも重要だ。
丈夫でしなやかな超撥水材料はハリセンボンに着想、市販の材料で作成できる
NIMSがハリセンボンの表皮から着想を得た新しい超撥水材料を開発したと発表。従来の超撥水材料は、摩耗や変形によって超撥水性を喪失することが課題だったが新材料はこれらを克服した。シリコーンや酸化亜鉛、酢酸エチルといった市販品を用いて製造できることから実用化に向けたコスト面の課題も小さいという。
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