武藤工業は、同社が取り扱う3Dプリンタを活用して簡易型フェイスシールドを製作し、2020年5月15日から順次、医療機関向けに無償提供を開始することを発表した。
武藤工業は2020年5月11日、同社が取り扱う3Dプリンタを活用して簡易型フェイスシールドを製作し、同年5月15日から順次、医療機関向けに無償提供を開始することを発表した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策が進む中、医療現場へのフェイスシールドの供給不足が懸念されており、同社はその緊急対応策として、月に500セットのフェイスシールド(1セット当たり5枚のPET製シールド含む)を無償提供する方針を固めた。
提供するフェイスシールドのフレーム部は、神奈川大学 経営学部 准教授の道用大介氏が公開した3Dデータ(DOYO Model)を活用。同社製3Dプリンタ「Value3D Magix MF2500EPII」およびポリカーボネート樹脂素材「PolyMax PC」を用いてフレーム部を造形し、シールド部には透明度の高い、厚さ0.25mmのPET素材を採用する。
製造されたフェイスシールドは、安全性、耐久性、拡張性が特長として挙げられる。特に、ポリカーボネート樹脂素材で造形されたフレーム部は軽くて、曲げに強く、アルコールや煮沸消毒への耐久性を備え、安全で繰り返しの利用にも対応可能だとする。帽子なし、帽子ありのいずれの状態でも着用可能だ。
また、シールド部の取り付けも簡単で、フレーム部の突起部(ボス)にシールドの穴を差し込むだけでよい。万一、取り替え用のPET製シールドが入手できない場合は、透明度の高いA4サイズのクリアファイルで代用することも可能だという。
こうした取り組みと併せて、同社Webサイトでは、道用氏のフェイスシールド(フレーム部)のSTLデータと、同データを基に、同社製3Dプリンタ「MFシリーズ」向けに最適化した造形データ(Gコード)を公開し、3Dプリンタを活用したフェイスシールドの製作ニーズに応える活動も開始している。
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