Stratasys(ストラタシス)は、オンライン上でバーチャルローンチイベントを開催し、PolyJet方式フルカラー3Dプリンタの新製品「Stratasys J55」を発表した。
Stratasys(ストラタシス)は2020年4月30日(現地時間)、オンライン上でバーチャルローンチイベントを開催し、PolyJet方式フルカラー3Dプリンタの新製品「Stratasys J55」を発表した。デザインチームの手に届く場所に設置できる製品という位置付けで、コンセプトモデルから、高品質かつ再現性の高いモデルの製作まで幅広く活用でき、デザイナーのアイデアの具現化を最大限支援するという。
J55は、高解像度、高速プリント、マルチマテリアル機能を実現しながらも、導入しやすい価格帯が特長の新製品だ。本体サイズ(651×661×1551mm)もコンパクトで、優れた静音性(53dB未満)と消臭システム(ProAero空気排出装置)を備えており、オフィスやデザインスタジオ内での利用が可能だ。
また、生産能力の高さも特長で、コンパクトな設置面積に対して比較的大きな造形エリアを確保しており、1回のプリントでより多くの造形物を製作できるという。同社Webサイトでは、従来の製作方法と同じコストと時間で、5倍の造形モデルを作成できるという試算が示されている。
興味深いのが、固定プリントヘッドを備えた回転式プリントプラットフォームの採用だ。この機構により、造形の信頼性が向上するだけでなく、メンテナンス時の作業も簡略化できるという。また、前述の高い静音性や生産能力の向上においても、回転式プリントプラットフォームが大きく寄与している。
さらに、J55は幅広いデザインニーズにも対応する。約50万色もの色彩表現、約2000のPANTONEカラー対応を実現し、硬質、透明、不透明、高速ドラフト用材料が使用可能。最大5種類の材料(カートリッジ容量は1.1kg)を同時にセットでき、1度のプリントでマルチカラーパーツを造形することが可能である。また、木材から布地まで多彩なテクスチャーオプションも用意されており、リアリスティックな造形が行えるという。なお、手作業不要で簡単に除去できる可溶性サポート材「SUP710」も利用でき、後処理の効率化も図れる。
CADモデルの読み込みから3Dプリントまでの一連のプロセスにおいては、同社の3Dプリンタ用ソフトウェア「GrabCAD Print」を用いることで効率化できる。
J55の販売価格はエンタープライズクラスのPolyJet方式3Dプリンタの3分の1程度だとし、2020年7月に出荷予定だという。
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