電気自動車とはいったい何なのか、今もつながるテスラとエジソンの因縁和田憲一郎の電動化新時代!(37)(3/4 ページ)

» 2020年04月17日 06時00分 公開

電気自動車とはいったい何なのか! に対する結論

 なぜこのような話をするのかといえば、結局のところ、電気自動車は交流と直流の組み合わせに行き着くからである。現在、多くの技術者が電気自動車開発に着手しているが、電力システムや交流モーターはテスラが考案し、室内灯などのランプ類は源流としてエジソンの白熱電球となる。

 逆にいえば、テスラとエジソンが考えだしたテーブルの上で、われわれはレゴのようにブロックを組み立てているのではないだろうか。130〜140年前に現れた偉人が考えたことが、今でも影響を及ぼし、直流、交流の詳細は違えども、モーター、インバータなど電気自動車に使われる部品はその原理を活用していることに驚かされる。

 これを何と呼べば良いのであろうか。最近話題になっている言葉がある。「Gifted(ギフテッド)」である。これは、先天的に平均よりも顕著に高度な知的能力を持っている人のことである。米国教育省は、「ギフテッドとは、同世代の子供と比較して、並外れた成果を出せる程、突出した才能を持つ子供のことである」と定義している。ある意味、天から授かった才能であるともいえる。

 冒頭で、「電気自動車とはいったい何なのか!」と問いかけた。そして、筆者が導きだした結論は、「電気自動車とは、テスラとエジソンから、世の中の人々への『Gifted(ギフテッド)』ではないか」と思えてならない。

 そう考えると、なぜイーロン・マスクが設立当時、社名をテスラ・モーターズ(現在はテスラ)と命名したのか分かる気がする。これまで世の中になかったことに挑戦し、それを実現させたニコラ・テスラという偉人に敬意を払ったのであろう。

 なお、ニコラ・テスラにちなんで、1960年の国際単位系 (SI) 導入時に、それまでのCGS単位系に基づくガウスをSIに基づくものに置き換えるため、磁束密度T(テスラ)が採用された。1テスラは、「磁束の方向に垂直な面の1m2につき1ウェーバ(Wb)の磁束密度」と定義されている。

今後の方向性は?

 では今後われわれは何をどう考え、対応すれば良いのであろうか。筆者としては次の3つではないか考える。

(1)交流技術、直流技術を極めること

 テスラとエジソンによって世間に広がった技術であるが、例えばインバータで直流から交流への変換など、まだまだ進歩の余地があると思われる。交流、直流の変換、さらにはDC-DCコンバーターのように直流―直流の変換など、多様な方法があり、先達から与えられた技術を今後も極めていくことが大切ではないだろうか。

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