アディダスは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策支援の一環として、3DプリンタメーカーのCarbonと協力し、3Dプリント技術を活用した医療用フェイスシールドの製造を開始したことを発表した。
スポーツ用品メーカー大手のAdidas(アディダス)は2020年4月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策支援の一環として、3DプリンタメーカーのCarbon(カーボン)と協力し、3Dプリント技術を活用した医療用フェイスシールドの製造を開始したことを発表した。
この取り組みのために両社は特別なチームを発足し、医療器具が不足する米国内の医療機関や救急隊員などのために、フェイスシールドの提供を行う。
フェイスシールドのフレーム部を3Dプリンタで製造。素材は、Carbonの3Dプリント技術を活用することで、独自の格子(ラティス)形状を複雑に重ね合わせたミッドソールを実現し、“3Dプリンタ製シューズ”として話題となったAdidasのランニングシューズ「Futurecraft 4D」と同じポリウレタンエラストマーを使用する。同素材は伸縮性に優れ、破れにくく、快適な装着性を実現し、消毒処理などを行うことで再利用が可能である。
今回のAdidasの協力と、3Dプリンタを活用した短納期生産を通じて、Carbonの生産能力は飛躍的に向上し、1週間で製造できるフェイスシールドの数が1万8000個から5万個以上にスケールアップできたという。
さらに、この取り組みを拡大するため、Carbonは同社のグローバルネットワークを通じて、フェイスシールドの設計データを共有。Carbonの3Dプリンタと素材が利用できる環境を持っていれば、世界中どこからでも同一のフェイスシールドの製造が行えるとしている。
なお、Carbon自身もCOVID-19対策支援の取り組みを開始しており、フェイスシールドや検査キット用スワブの製造支援などに着手している。
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