昭和電工は、電子材料用の高純度ガス事業を強化するため、上海昭和電子化学材料の隣接地に第二工場を建設する。また、半導体市場の拡大が見込まれる台湾にも、高純度オクタフルオロシクロブタンを年間150t生産できる設備を新設する。
昭和電工は2020年1月8日、電子材料用の高純度ガス事業を強化するため、上海の製造拠点である上海昭和電子化学材料(SSE)の隣接地に第二工場を建設すると発表した。
SSE第二工場には高純度のN2O(亜酸化窒素)とC4F8(オクタフルオロシクロブタン)の製造設備および高圧ガス危険物倉庫を建設する。新工場の面積は約1万m2で、設備の年間生産能力は、高純度N2Oが1000t、高純度C4F8が600tになる。稼働開始は、2021年下半期の予定だ。
高純度N2Oは主に半導体やディスプレイ製造時の酸化膜の酸素源として、高純度C4F8は、酸化膜の微細加工(エッチング)などに使用される特殊ガスだ。
現在、同社は高純度N2Oを川崎事業所と韓国で、高純度C4F8を川崎事業所と上海(SSE第一工場)で生産している。中国では化学品への規制が年々強化されており、上海に自社所有の高圧ガス危険物倉庫を確保、拡充することでサプライチェーンを強化し、競争力を向上する。さらに、市場が拡大しても安定して高純度ガスを供給できるよう、地産地消を進めて最適な供給体制を整える。
なお、台湾でも半導体市場の拡大が見込まれることから、同社の現地製造子会社である台湾昭和化学品製造にも、高純度C4F8を年間150t生産できる設備を新設する。稼働開始は2020年春を予定している。
今回の工場、設備新設に関する投資額は、上海と台湾を合わせて約30億円となる。
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