スズキが四輪開発体制を3つの技術エリアに再編、品質と原価低減で横串を通す製造マネジメントニュース

スズキが組織改定や常務役員の委嘱の変更などについて発表した。組織改定では、四輪技術本部と開発本部を廃止して3つの技術エリアに再編するとともに、設計の根幹となる“技術品質向上”と“原価低減”の実現に向けて3つの技術エリアを横串で通す責任者を選定した。

» 2020年01月16日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 スズキは2020年1月14日、同日付で行った組織改定や常務役員の委嘱の変更などについて発表した。組織改定では、四輪技術本部と開発本部を廃止して3つの技術エリアに再編するとともに、設計の根幹となる“技術品質向上”と“原価低減”の実現に向けて3つの技術エリアを横串で通す責任者を選定。従来の2本部22部を、3技術エリア15部に再編し、副本部長を置かないことで簡潔かつフラットな組織に組み替える。

 3つの技術エリアは「四輪車両技術エリア」「四輪パワートレイン技術エリア」「四輪電気・電子技術エリア」になる。各エリア長は常務役員が就任し責任を明確化する。また、3つの技術エリアを横串で通す技術品質向上と原価低減の活動についても、「四輪原価低減担当」と「四輪技術品質担当」として、それぞれ常務役員が責任者を務める。

 四輪車両技術エリアのエリア長は、四輪技術本部長 兼 四輪プラットフォーム・HMI開発部長を務めていた生熊昌広氏が就任する。同技術エリアには、四輪プラットフォーム・HMI開発部、四輪予防安全システム設計部、四輪車両性能開発部、環境・材料・生産技術開発部、四輪ボディー設計部、四輪内装設計部、四輪シャシー設計部を置く。また、解析センターを廃止し、その業務を四輪プラットフォーム・HMI開発部に移管する。

 四輪パワートレイン技術エリアのエリア長は、四輪技術本部 副本部長(エンジン・パワートレイン戦略企画担当)を務めていた山下幸宏氏が就任する。山下氏は、四輪技術品質担当も兼任する。同技術エリアには、四輪パワートレインシステム開発部、四輪エンジン設計部、四輪ドライブトレイン設計部を置く。四輪パワートレインシステム開発部は

従来の四輪パワートレイン基盤技術部、四輪パワートレインシステム開発部、四輪パワートレイン実験部、四輪車両性能技術部を統合した部署になる。また、四輪エンジン設計部は四輪エンジン開発部と四輪エンジン設計部を、四輪ドライブトレイン設計部は四輪電動ドライブユニット開発部と四輪トランスミッション設計部を統合した。

 四輪電気・電子技術エリアのエリア長は、開発本部長を務めていた高柴久則氏が就任する。同技術エリアには、高柴氏が部長を兼任する新設の四輪電子プラットフォーム開発部と四輪電子システム開発部、四輪電装設計部、EV開発部、横浜研究所を置く。四輪電子システム開発部と四輪電装設計部は、先行技術開発部と四輪電子・電装システム設計部を統合再編を受けて発足する。EV開発部は、四輪EV開発部と電動モビリティ開発部を統合した部署だ。

 なお、四輪原価低減担当の責任者には、四輪技術本部 副本部長(ハイブリッドシステム担当)を務めていた鈴木正倫氏が就任する。

 これら3つの技術エリアと2つの担当は、取締役 技監の本田治氏が統括する。

 これらの他、四輪商品・原価企画本部についても、従来の四輪車に限らず新たな移動手段・サービスまでの企画領域に踏み込むため「商品・原価企画本部」に名称を変更する。これに合わせて同本部内にモビリティ・サービス企画部を新設する。

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