アマゾンアップルグーグルの「Connected Home over IP」がスマートホームをつなぐ組み込み開発ニュース

アマゾン、アップル、グーグル、Zigbeeアライアンスの4者は、現時点で接続互換性が低いスマートホーム関連機器をつなげやすくすることを目的に、新たなワーキンググループ「Connected Home over IP」を結成したと発表。セキュアでロイヤリティーフリーの接続プロトコルを開発し、その採用拡大を進めていく。

» 2019年12月25日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 アマゾン(Amazon.com)、アップル(Apple)、グーグル(Google)、Zigbeeアライアンスの4者は2019年12月18日(現地時間)、現時点で接続互換性が低いスマートホーム関連機器をつなげやすくすることを目的に、新たなワーキンググループ「Connected Home over IP」を結成したと発表した。セキュアでロイヤリティーフリー(使用料無料)の接続プロトコルを開発し、その採用拡大を進めていく。2020年後半をめどに、ドラフト版の仕様書と、オープンソースで開発したソフトウェアを実装した予備的レファレンスのリリースを目指す。

 Connected Home over IPには、先述の4者の他、Zigbeeアライアンスのボードメンバーであるイケア(IKEA)、ルグラン(Legrand)、NXP Semiconductors、レジデオ・テクノロジーズ(Resideo Technologies、ハネウェルのホーム事業のスピンアウト企業)、Samsung SmartThings(サムスン電子のスマートホーム製品ブランド)、シュナイダー・エレクトリック(Schneider Electric)、シグニファイ(Signify、元フィリップス・ライティング)、シリコンラブズ(Silicon Labs)、ソムフィ(Somfy)、ウーリアン(Wulian)などスマートホーム関連の機器メーカーや半導体メーカーが参加している。

Connected Home over IPの参加企業と団体 Connected Home over IPの参加企業と団体。今のところ日本企業の名前はない(クリックでWebサイトへ移動)

 Connected Home over IPで策定する接続プロトコルは、さまざま機器をつなげるのに広く用いられているIP(インターネットプロトコル)をベースにすることが決まっている。スマートホーム関連機器だけでなく、モバイルアプリケーションやクラウドサービスともつなげやすくするとともに、デバイス認証にも対応可能な特定セットのIPベースのネットワーキング技術を定義することも目指している。

 新たな接続プロトコルの開発活動はオープンソースアプローチで行う。アマゾン、アップル、グーグルをはじめConnected Home over IPに参加する企業や組織のスマートホーム技術を活用して開発を加速する。GitHubを使って、新たな標準のレファレンス実装や必要となる開発環境などの情報を発信していく。

 また、Connected Home over IPでは、アマゾンの「Alexa」、アップルの「Siri」、グーグルの「Google Assistant」などの音声入力サービスと互換性のある機器開発を容易にすることも目指す。互換性を確保するスマートホーム技術としては、アマゾンの「Alexa Smart Home」、アップルの「HomeKit」、グーグルの「Weave」、Zigbeeアライアンスのデータモデル「Dotdot」が具体例として挙がっている。

 最初の仕様策定は、IEEE 802.11axまでを含むWi-Fi、2.4GHz帯のIEEE 802.15.4-2006を用いるThread、IP実装が可能なBluetooth Low Energy(バージョン4.1、4.2、5.0)という3つの無線通信技術を用いて行う予定。ただし、イーサネットやセルラー通信などIPベースのネットワーク技術を採用する可能性もあるとしている。

“つながらないスマートホーム”はどうすればつながるのか

 アマゾンやアップル、グーグルが展開するスマートスピーカーや、照明機器や家電のメーカーが手掛けるスマートホーム関連機器は、製造元が異なる場合に連携させることが難しいという課題がある。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、クラウドなどの活用によりさまざまな産業分野でのスマート化が進んでいるが、“連携できない”ことによりスマートホームが最も遅れているという指摘もある。

 この課題解決に向けて、スマートスピーカーや音声入力サービスで競合するアマゾンやアップル、グーグルが協力することを決めた。ワーキンググループの活動を主導することで、3社の音声入力サービスをスマートホームのデファクトスタンダードにしようという強い意図もうかがえる。

 日本では、2017年9月に暮らしのIoTサービスの実現を目指す「コネクティッドホーム アライアンス」が発足※)しているが(現在88社が参加)、これまでのところ具体的な成果は発表されていない。現時点でConnected Home over IPの参加メンバーに日本企業の名前はないが、コネクティッドホーム アライアンスの参加企業などがどのように対応するのか注目される。

※)関連記事:日本品質の「暮らしのIoT」目指すアライアンスが会見「限りなくオープンに」

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