2019 国際ロボット展 特集

特殊メッキ処理を採用し、食品製造ラインに導入可能な人協働ロボットFAニュース

安川電機は、食品業界向けの人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTF」を発売した。表面に特殊なメッキ処理を施し、H1認証を取得した食品グリスを採用するなど、食品製造ラインで求められる安全性や衛生面に配慮したロボットとなっている。

» 2019年12月17日 07時00分 公開
[MONOist]

 安川電機は2019年11月26日、食品業界向けの人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTF」の販売を開始した。食品製造工程での搬送や食材の盛り付け、デコレーションに適している。価格はオープン。

 MOTOMAN-HC10DTFは、表面に特殊なメッキ処理を施しており、食品製造ラインでの塗装片混入リスクを排除する。ロボットの全軸にIP67の防じん、防滴構造を採用しているため、酸性、アルカリ性の洗浄剤やアルコールによるロボット全体の洗浄が可能だ。万一ラインへの混入が発生しても、健康への影響を最小限に抑えるH1認証取得の食品グリスを採用するなど、食品製造ラインに求められる安全性や衛生面への配慮がなされている。

 ロボットの可搬質量は10kgで、最大リーチは1200mm。ロボット先端部にツールを直接取り付けられるコネクターを配置し、セットアップ時間を短縮する。ケーブルはエアホース内蔵タイプや、カメラを搭載しやすいETHERNET用ケーブル内蔵タイプが用意されている。

 運転や設計の面でも、安全性を高めている。外部から制限値を超える力が加えられると、自動で停止する「人協働モード」を備え、アーム間に隙間を設けることで「挟み込み」を防止する。これにより、安全柵なしのシステムが構築できるため、これまでは困難だった狭いスペースへの設置が可能になる。

 操作は、プログラミングペンダントによる従来のティーチング方法に加え、ロボットアームを直接手で動かして動作を指示する「ダイレクトティーチング」機能を備えており、初心者でも容易に導入できる。

 MOTOMAN-HC10DTFは、食品分野だけでなく、薬品や化粧品の搬送など、さまざまな業界の自動化ニーズに対応する。

photo 人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTF」 出典:安川電機
photo 安全運転、安心設計(クリックで拡大) 出典:安川電機
photo 簡単操作で導入が容易に(クリックで拡大) 出典:安川電機

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