カネカは、柔軟性に優れた脳動脈瘤塞栓コイル「i-EDコイル」を開発し、日本での販売を開始した。柔軟性を高めたことで、動脈瘤内でコイルをより高密度に詰めることが可能になった。
カネカは2019年12月2日、柔軟性に優れた脳動脈瘤塞栓コイル「i-EDコイル」を開発し、同年11月より日本での販売を開始したと発表した。現在、アメリカ食品医薬品局に申請中で、承認を得られ次第、アメリカでも発売する予定だ。
原材料となる金属線の太さを最適化し、構造を工夫したことで、柔軟性を高めた。これにより、動脈瘤内でコイルをより高密度に詰めることが可能になった。また、動脈瘤の壁の一部が突出しているような不規則な形にも対応できる。
脳動脈瘤は、破裂すると、致死率の高いくも膜下出血を引き起こす。治療法には、開頭手術による外科的治療とカテーテルによって塞栓コイルを詰める血管内治療があるが、侵襲性の低さから、血管内治療を第一選択とする割合が高まっている。さらに近年は、画像診断技術が向上したことで、未破裂の動脈瘤が発見され、予防としての塞栓コイルを用いた血管内治療も増えている。
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