ソディックは、リニアモーター駆動の大型形彫り放電加工機「AG200L」を発売した。各軸を拡張しながら、機械剛性を最適化した機械設計により設置面積を抑えている。
ソディックは2019年10月1日、リニアモーター駆動の大型形彫り放電加工機「AG200L」を発売した。標準価格は6300万円〜(税別)で、年6台の生産目標を掲げる。
AG200Lは、同社のC型コラム仕様の形彫り放電加工機「AG100L」を基に、XYZ各軸のストロークを拡張した。近年高まる、大型化、複雑化が進む自動車関連の金型構造に対応可能な同加工機へのニーズに応える。
X軸を1200mmから2000mmに、Y軸を650mmから1200mmに拡張するとともに、機械剛性を最適化した機械設計により設置面積を抑えている。AG100Lと比較し、最大加工面積で約2倍、加工タンク空間容積で約3.2倍の大型ワークに対応可能ながら、機械寸法は1.5倍のコンパクト化に成功した。
省スペース化に貢献するY軸の2重構造スライド方式は、移動質量を軽減し、加工軸の応答性を向上する効果もある。XY軸の横サーボや3軸の寄せ加工などにおいて安定した高速加工が可能。Y軸操作においては、加工前の位置決め時に自動フォールディング動作を行うことで、NCの変更なしに最適な制御ができる。
同社が開発・製造した高出力リニアモーターを搭載し、大型機でありながら高速かつ高応答な加工サーボ性能を備えた。ボールねじを使用しない非接触駆動により、経年変化を抑え長期に渡り性能を維持する。さらに、独自のリニアモーター冷却構造が発熱を抑制し、高精度を維持した長時間の自動運転に対応する。
また、放電制御技術「アークレスPlus」を搭載。形彫り放電加工のパフォーマンスが向上している。放電電源装置「LN2A2電源」は、高速プロセッサを搭載した高い処理速度を可能にする。さらに、Z軸リニア高速ジャンプにより、チップの2次放電に起因するアークや加工形状不良を抑制し、加工時間を大きく短縮する。
工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
好況に沸く工作機械メーカーは盤石か!? 課題は営業力にあり
金属3Dプリンタ活用3つのハードルと日本のモノづくりの今後
金属3Dプリンタは量産対応とともに「誰でも使える」を目指す、ソフトウェアも続々
足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク