FCV「ミライ」が2020年末に全面改良、後輪駆動化、定員は5人に : 東京モーターショー2019
トヨタ自動車は2019年10月11日、「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の次期モデルのコンセプトカーを初公開すると発表した。日本や北米、欧州などでの2020年末の発売に向けた開発最終段階を披露する。
トヨタ自動車は2019年10月11日、「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の次期モデルのコンセプトカーを初公開すると発表した。日本や北米、欧州などでの2020年末の発売に向けた開発最終段階を披露する。
ミライコンセプトの外観(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
ミライコンセプトのサイドビュー(左)と内装(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
初公開するミライコンセプトは、エコカーの枠を超えて、走りを予感させるダイナミックさと、誰もが振り返るエモーショナルな美しさを持つスタイリングを追求したという。走る楽しさにこだわり、今までにない気持ちのいい走行フィーリングの実現を目指し、開発を進めてきたとしている。
燃料電池(FC)システムを一新し、FCVとしての性能を大幅に向上させるとともに、水素搭載量の拡大により、走行距離を従来モデル比で30%増やすことを目指している。現行モデルは水素タンク容量が122.4l(リットル)、充填可能な水素量が約4.6kg。また、1回の充填で走行できる距離はJC08モードで650kmで、水素充填圧の高いステーションで充填した場合は走行距離が700kmとなるため、ミライの次期モデルは845〜910kmまで走行距離が延びると考えられる。既にFCVは水素の充填時間を含めてエンジン車とそん色ない使い方ができており、それが電気自動車にない強みだとされてきたが、さらに走行距離を延ばす格好だ。
ミライコンセプトには、TNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームを採用し、低重心でのびやかなプロポーションを実現した。TNGAプラットフォームの乗り心地や素性の良さと、FCVならではの静粛性と剛性の高さなどを生かして細部にこだわったクルマづくりを推進した。FCスタックの性能向上などにより、リニアで滑るような動き出しや応答性の良い加速、高速域までトルクフルな走行を実現したとしている。また、20インチの大径タイヤでダイナミックさと軽快感を与えた。外板色は、複層工程により鮮やかさと深みを強調した「フォースブルー マルチプルレイヤーズ」を新規開発した。乗車定員は現行モデルの4人から、5人に増える。
車両サイズは全長4975×全幅1885×全高1470mm、ホイールベースは2920mmとなる。駆動方式は前輪駆動から後輪駆動に変わる。乗車定員は現行モデルの4人から、5人に増える。
サイズ比較(車名)
全長
全幅
全高
ホイールベース
ミライ現行モデル
4,890
1,815
1,535
2,780
ミライコンセプト
4,975
1,885
1,470
2,920
参考)クラウン
4,910
1,800
1,455
2,920
単位:mm
2030年のFCV普及見通しは乗用車タイプで1000万台超、FCトラックは50万台
自動車メーカーやエネルギー産業、重工業の大手企業13社で構成する水素協議会(Hydrogen Council)は、2050年までを視野に入れた水素利用の調査報告を発表した。水素エネルギーの普及によりCO2排出量を現状比で年間60億トン減らすとともに、平均気温の上昇を2℃までに抑える上で必要なCO2削減量の20%をカバーする見通しだ。
バイオエタノールで走る日産の燃料電池車、「ミライ」「クラリティ」より低コストに
日産自動車は、バイオエタノールから取り出した水素で発電して走行する燃料電池車のシステム「e-Bio Fuel-Cell」を発表した。圧縮水素タンクや、白金など希少金属を使う触媒を必要としないため、トヨタ自動車の「ミライ」やホンダの「クラリティ フューエルセル」と比較してコストを大幅に低減できる。2020年に商品化する。
燃料電池車「ミライ」を“解剖”
トヨタ自動車は「人とくるまのテクノロジー展2015」において、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」のカットモデルや各種関連技術を展示した。ミライに搭載された部品は、自動車部品メーカー各社でも披露されており、さながら、会場全体を使ってミライを“解剖”しているような状況だった。
トヨタから1年遅れ、それでもホンダは燃料電池車を普通のセダンにしたかった
ホンダは2016年3月10日、セダンタイプの新型燃料電池車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエルセル)」を発売した。水素タンクの充填時間は3分程度、満充填からの走行距離は750Kmとし、パッケージングも含めてガソリンエンジン車とそん色ない使い勝手を目指した。
電気自動車が後付け部品で燃料電池車に、ベース車両はほぼそのまま
フランスのSymbio FCellは、「第13回 国際水素・燃料電池展」において、日産自動車の電気自動車「e-NV200」を改造した燃料電池車を紹介した。外部からの充電と水素の充填、どちらでも走行できる。
スズキの燃料電池スクーターがナンバープレートを取得、静岡と福岡で走る
スズキの燃料電池二輪車「バーグマン フューエルセル」がナンバープレートを取得し、公道走行を開始する。2016年2月に国土交通省が公布、施行した燃料電池二輪車に関する保安基準に基づき、スズキはバーグマン フューエルセルの車両型式を申請。2016年8月に型式認定を受けている。
米国向け大型燃料電池トラックに改良版、走行距離は320kmから480kmに
トヨタ自動車は2018年7月30日(現地時間)、自動車産業の課題や米国経済への影響を研究、分析するCenter for Automotive Researchのイベントにおいて、走行距離を延長した大型トラックタイプの燃料電池車(FCトラック)の改良版を公開したと発表した。カリフォルニア州で行っている実証実験に、2018年秋から改良型を追加導入する。
子ども向けに本気で作った、運転免許なしで乗れる燃料電池車
メガウェブは2015年12月26日から、子どもが自分で運転できる燃料電池車(FCV)「FC-PIUS」を使った走行体験イベントを始める。燃料電池車について正しく理解してもらい、「燃料電池車=水素爆発」といった誤解を解くために、技術者たちが奔走して時間とコストをかけて子ども向けの燃料電池車を開発した。
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