東京モーターショーは「未来の暮らし」を発信する場に、お手本はCES東京モーターショー2019

日本自動車工業会(自工会)は2019年9月26日、東京都内で記者会見を開き、自工会会長の豊田章男氏らが出席して「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)のコンセプトを説明した。

» 2019年09月27日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
写真左から自工会 副会長でホンダ取締役 会長の神子柴寿昭、自工会 会長の豊田章男氏、自工会 副会長でマツダ 代表取締役社長の丸本明氏(クリックして拡大)

 日本自動車工業会(自工会)は2019年9月26日、東京都内で記者会見を開き、自工会会長の豊田章男氏らが出席して「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)のコンセプトを説明した。

 テーマは「OPEN FUTURE」で、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会との協力に基づくさまざまな企業の出展、青海から有明にかけての開催エリアの拡大、入場無料エリアの展開など“オープンさ”を打ち出す。出展する企業、団体の数は187社となる。

 オリンピック・パラリンピック等経済界協議会との連携は、豊田氏が同協議会の会長も務めていることから実現したという。NTTやパナソニック、NEC、富士通といった同協議会の加盟企業など60社が参加し、移動体験や都市の在り方、スポーツ観戦、エネルギー活用、観光など未来の暮らしを体感してもらう企画だ。

 未来の移動体験や都市の在り方、エネルギー活用は、各社のコンセプトカーなどで提案する。NECが「空飛ぶクルマ」の試作機を出展する他、パナソニックがCESなどで披露した「SPACe_L」を展示する。日産自動車は、電気自動車を蓄電池として住宅やビルで使う様子を実演する。ホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル」や月面での有人探査活動に必要な「有人与圧ローバ」といった水素エネルギーを使うモビリティについても紹介する。自動運転車や超小型モビリティ、電動スクーターなどの乗車体験の場も設ける。

 スポーツ観戦や観光に関しては、5G(第5世代移動通信)を使った臨場感のある映像配信、ICTを使った競技の採点、顔認証での決済、多言語対応のAI(人工知能)による接客といった新技術により、未来の日常を体験してもらうことを狙う。

 この他にも、ドローンレース、アイドルグループのコラボレーション、子ども向けの職業体験などを取り入れ、今まで東京モーターショーを訪れたことがない人にも来てもらう。また、二輪車を含めた最新モデルの試乗会、オートサロンとの連携、スーパーカーやモータースポーツ参戦車両の体験イベントなども用意し、「クルマ好きの方々にも満足していただけるのではないか」(自工会 モーターショー特別委員会委員長でトヨタ自動車 国内販売事業本部 副本部長の長田准氏)。

 こうした新しい企画を取り入れた背景について、豊田氏は毎年1月に米国ラスベガスで開催される消費者向けエレクトロニクス展示会「CES」を引き合いに出した。「自動車メーカーの目線では、デジタルが発達してお客さまに情報を直接届けられる中、会場に置いたクルマを見にきてもらうことにどこまで意義があるかと考えざるを得ない。モーターショーは販売促進の面で効果が薄れてきている。一方、CESは出展社数が増加しており、新型車発表も行われている。自動車だけで未来を表現するには限界があるため、CESのように生活全体の未来が示される場で、一緒に未来をつくる産業とともに、ワクワクする未来の生活を見せる場に変えていきたい」(豊田氏)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.