NTTドコモは2019年9月18日、同月20日から5Gプレサービスを開始すると発表した。2020年春から開始予定の商用サービスと同じ環境で5Gを体験でき、5G活用ビジネスの展開が加速する期間と位置付ける。同社社長の吉澤和弘氏は「5Gが新しい生活や社会への扉を開く」と意気込む。
国内の5G(第5世代移動通信)展開がいよいよ本格化する。NTTドコモは2019年9月18日、同月20日から5Gプレサービスを開始すると発表した。2020年春から開始予定の商用サービスと同じ環境で5Gを体験でき、5G活用ビジネスの展開が加速する期間と位置付ける。同社社長の吉澤和弘氏は「5Gが新しい生活や社会への扉を開く」と意気込む。
高速、低遅延、同時多接続が特徴の5G。NTTドコモは5G活用によって、人手不足や介護、地方創生などの社会課題解決を狙い、2018年2月から「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を開始している。同プログラムは現在3000を超えるパートナーが参画しており、「世界においても例がなくドコモならではの取り組みと自負している」(吉澤氏)。パートナーとの協創を実現するため、5Gネットワークとクラウドを組み合わせた「ドコモオープンイノベーションクラウド」を提供するとともに、現在国内4拠点体制の技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ」を11拠点に拡大する。
5Gネットワーク構築の推進もアピールする。同社は総務省から割り当てられた3.7GHz、4.5GHz、28GHzの3周波数帯をプレサービス開始時から全て運用する唯一の事業者であると強調。高いスループットが見込めるが電波が遠くまで届きにくい特徴がある28GHz帯実用化に向けて、プレサービス期間中に入念な準備を進める。
同社は1万人体制の技術者で5G基地局の展開を進め、2020年6月末までに47都道府県全てに基地局を設置する。その一年後に1万局、2024年度に2万6334局の基地局を設置する目標を示した。吉澤氏は「これは確実に実現できる目標であって、より多くの人に5Gを体験してもらうために前倒しを予定している。過去にない最大の体制で進める」と語った。
5G展開に合わせ、コアネットワークの仮想化とベンダークロスな無線アクセスネットワークの取り組みも加速させる。現在、NTTドコモのLTEコアネットワークシステムは約40%が仮想化されており、5G世代では完全なコアネットワーク仮想化を目指す。また、同社に基地局装置を提供する富士通、NEC、Nokiaと協力し、ベンダーが親局と子局で異なる場合でも相互接続を可能とする世界初の運用を開始した。
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