マツダは2019年9月25日、「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、同社初となる量産電気自動車(EV)を世界初公開すると発表した。
マツダは2019年9月25日、「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)において、同社初となる量産電気自動車(EV)を世界初公開すると発表した。新型EVは、「マツダ3」や「CX-30」に続く新世代商品の第3弾となる。人間中心の設計思想を基に、EVならではの特性を最大限に生かすことで、「ドライバーが自然に、心から運転を楽しむことができる走りを実現している」(マツダ)という。
マツダはこれまで、記者向けの説明会などでEVに関する情報を小出しにしており、他社との共同開発や技術供与ではなく、独自で開発することを強調してきた。新世代商品群では商品の特性や特徴を最大限に発揮するため車両のアーキテクチャを「CX-3」を中心とした「スモール」と、「CX-5」を中心とした「ラージ」に分ける方針で、EVはスモールアーキテクチャに該当する。
EVはバッテリーのみで駆動するモデルと、バッテリーの電力残量が一定水準を下回るとロータリーエンジンを発電に使うレンジエクステンダーモデルを開発することも公表している。製品化するEVの具体的な走行距離については明言しなかったが、レンジエクステンダーモデルは、バッテリーのみで駆動するモデルの2倍の走行距離を実現することを目指すとしている。
レンジエクステンダーに2気筒のレシプロエンジンを使う場合と比べて、ロータリーエンジンは小型軽量で、エンジンルーム内でのスペース効率も高いという。また、ロータリーエンジン特有の機構と燃焼特性による静粛性、振動の少なさは、走行音が静かなEVで生きるとしている。ロータリーエンジンは、市場動向を踏まえてガソリンだけでなく天然ガス(CNG)や液化石油ガス(LPG)、水素などさまざまな燃料に対応できるようにする計画だ。LPGへの対応は、災害時の発電、電力供給も想定している。
スモールアーキテクチャでは、レンジエクステンダーとしてのロータリーエンジンをベースにした、EV以外の電動パワートレインもそろえる。例えば、全体の電力供給量のうちCO2排出量の少ない発電の比率(クリーン電源比率)が高く、充電インフラが普及した地域には、レンジエクステンダー付きEVとして投入する。
これと比べてクリーン電源比率が低いものの、充電インフラが十分な地域には、高出力な駆動用モーターとより大容量の燃料タンク、電力容量を抑えた駆動用バッテリーを搭載したPHEVモデルとして展開。クリーン電源の比率が低く、充電インフラの普及が遅れている地域には、PHEVモデルよりも駆動用バッテリーの容量を減らしたシリーズハイブリッドモデルとして販売する計画だ。
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