岐路に立つJDI、“B2C”の新規事業は起死回生の一手になるか : イノベーションのレシピ (3/3 ページ)
XVG-01は、映像に連動して音楽再生と香りを広げる新ジャンルのデザイン家電となる。レコードプレーヤーを模したシンプルなデザインが特徴で、ディスプレイ、スピーカー、交換式の香りカートリッジを内蔵する。「新しいジャンルの家電なのでベンチマークには苦労したが、ビジネスパーソンの癒しや集中力アップなど五感への訴求による新感覚を提供できる製品に仕上げた」(同社担当者)。想定販売価格は200米ドル前後。
映像と音楽、香りを楽しめる「XVG-01」(クリックで拡大)
同製品には映像と音、香りによる10以上のシーンがプリセットされており、Bluetooth接続でスマートフォンの音楽も再生が可能だ。筐体デザインに多くのこだわりを盛り込んだとし、同社担当者は「五感により『自分の原点に立ち返る』という思いをレコードプレイヤーというメタファーのデザインにこめた。その結果、われわれはディスプレイメーカーであるが、ディスプレイの存在感を目立たせないようにした」と語る。
また、オリジナリティーがあり再現性の高い香りを提供するとし、協業先と共同で香りカートリッジの開発も進める。イノベーションアワードを受賞したCES Asia 2019では、ひのきの香りが来場者に好評だったという。同製品は2019年9月にクラウドファンディングと店舗での先行予約を開始する予定だ。ギフト需要を見込み、国内市場を皮切りに海外展開も狙う構えだ。
JDIが中計を取り下げ、CEO東入來氏とCMO伊藤氏も退任
ジャパンディスプレイは2019年3月期(2018年度)業績を発表し、売上高は前年度比11.3%減の6367億円、営業損失は310億円、当期純損失は1094億円となった。また、中期経営計画を取り下げ、同社CEOの東入來信博氏とCMOの伊藤嘉明氏が退任したことも明らかにした。
“納得できない現状”のジャパンディスプレイ、イノベーションで未来は拓けるか
ジャパンディスプレイが事業戦略発表会「JDI Future Trip〜First 100 Days〜」を開催。同社 常務執行役員 CMOの伊藤嘉明氏は、同氏が中心になり、社内公募によって2018年4月に発足させたマーケティング・イノベーションを推進する組織体による約100日間の成果を紹介するなど、イノベーションにより厳しい現状を打開する方針を打ち出した。
極薄プラスチック基板を使ったフレキシブル指紋センサーを開発
ジャパンディスプレイは、柔軟性に優れた静電容量式フレキシブル指紋センサーを発表した。湾曲しても割れず大面積化が可能で、大型指紋センサーを作製できるため、個人認証など高いセキュリティを必要とする機器に適している。
最高水準の画質を競合製品の半額で、JDIがVRで攻勢
ジャパンディスプレイ(JDI)は、「第27回 3D&バーチャルリアリティ展(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)」で、企業ユーザー向けVR(仮想現実)ヘッドマウントディスプレイ「VRM-100」を紹介した。同社は高画質なVRコンテンツの体験と開発を可能とした製品づくりと戦略的な価格設定でVR市場に攻勢をかけている。
新たな市場に取り組むJDI、電子ペーパーで小売店舗の変革を狙う
ジャパンディスプレイ(JDI)が新たな市場での需要発掘に力を入れている。同社は電子ペーパーと棚割り計画システムを組み合わせた電子棚札ソリューションを2019年6月頃から展開する方針だ。
JDIは車載とスマホ以外で売上高1000億円、けん引役の1つは「指紋センサー」
ジャパンディスプレイ(JDI)は、車載やスマートフォン以外の分野を担当するディスプレイソリューションズカンパニーの事業説明会を実施。併せて、新規ビジネスの1つである新開発の指紋センサーを披露した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.