ジャパンディスプレイ(JDI)が新たな市場での需要発掘に力を入れている。同社は電子ペーパーと棚割り計画システムを組み合わせた電子棚札ソリューションを2019年6月頃から展開する方針だ。
ジャパンディスプレイ(JDI)が新たな市場での需要発掘に力を入れている。同社は電子ペーパーと棚割り計画システムを組み合わせた電子棚札ソリューションを2019年6月頃から展開する方針だ。
この電子ペーパーはJDIとE Inkの協業で開発され、3色(赤、黒、白)表示に対応する。棚札に最適な横幅30cmサイズとし、精細度を電子棚札用電子ペーパーとして最高クラス(同社調べ)である198ppiにまで高めた。これにより漢字が含まれた商品名も可読性が高まるとともに、大きな製品写真やQRコードなどの情報表示による販売促進効果が見込めるという。
JDIは各種業務用ソフトウェアを開発する日本総合システムと共同で「リテールテックJAPAN 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)に出展し、この高精細電子ペーパーと棚割り計画システムを組み合わせた電子棚札ソリューションを展示した。
今回展示された電子棚札ソリューションは、商品名や価格といった消費者向け情報に加え、棚替え時の陳列仕様など店員向け業務情報を電子ペーパーの棚札へ動的に表示するというもの。消費者の購買意欲を促進させるとともに、棚替え業務の仕様書ペーパーレス化、省力化を行うことができる。
紙の棚札を利用する棚替え作業では、店員が仕様書である「棚割表」の指示通りに商品を陳列し、棚札を陳列に合わせて設置する。この作業は仕様書を作成する本部と実際に棚割り作業を行う店員に多大な労力を掛けているという。また、他の電子棚札ソリューションでは1つの商品につき1つの棚札が対応しているため、棚替え作業時に陳列する商品の大きさが変化した場合にはそれに対応した棚札を用意する作業が発生していた。
同ソリューションでは日本総合システムの棚割り計画システム「StoreManagerGX-R」によって棚割り作業をグラフィカルなユーザーインタフェースで行うことができ、商品サイズに応じた棚札データを生成する。棚札データは電子棚札に搭載されたBluetooth Low Energy(BLE)によって伝送され、横長の表示領域を生かして柔軟な棚割り表示を実現している。
電子棚札はコイン電池3個で動作し、電池寿命は「1日1回の画面リフレッシュで5年程度」(JDI担当者)だ。同ソリューションによって棚替え作業を行う場合、紙棚札を用いるケースと比較して「50%程度の省力化が可能」(日本総合システム担当者)だ。同ソリューションは「一定以上の店舗規模があるスーパーマーケットやコンビニエンスストア」(JDI担当者)を想定顧客としている。
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