スーパーマイクロサージャリー向け超高周波超音波画像診断装置を発売医療機器ニュース

富士フイルムは、体表付近の直径0.5mm以下の微細組織構造を鮮明かつ高精細な画像で観察できる、超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD」を発売した。

» 2019年06月27日 15時00分 公開
[MONOist]

 富士フイルムは2019年6月12日、直径0.5mm以下の末梢血管や小さな腫瘍など、体表から深度1cm程度の微細組織構造を、鮮明かつ高精細な画像で観察できる超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD(ソノサイト ビーボ エムディー、Vevo MD)」を発売した。標準ユーザー渡し価格は本体と専用プローブ「UHF70」で7200万円(税別)。富士フイルムメディカルを通じて販売する。

 Vevo MDは、FUJIFILM SonoSiteが提供する超音波画像診断装置で、独自の超音波プローブ製造技術と超高周波超音波の送受信技術を用いている。これらの技術により、汎用超音波画像診断装置のプローブで世界最高(同月11日現在、同社調べ)となる70MHzの超高周波と、35µmの高解像度を可能にした。

 特に、顕微鏡下で実施する手術「スーパーマイクロサージャリー」が行われる形成外科領域のニーズに対応。例えば、直径0.5mmに満たないリンパ管と静脈を吻合するリンパ浮腫の外科治療や皮膚移植などに役立つ。

 Vevo MDを用いることで、鮮明で高精細な画像が得られ、体表付近の微細な組織構造を明瞭に観察できる。最高周波数46MHzのプローブもラインアップしており、体表から深度2.4cm程度と、より深部が観察可能だ。

 また、画像が見やすい19インチの大型な観察用スクリーンに加え、画面をタッチするだけで簡単に操作できる12.1インチの全面タッチスクリーンも採用。ユーザーインタフェースが簡単かつ迅速に操作できるため、効率的な診断が可能だ。表示モードはBモード、Mモード、カラードプラの3種で、画像メモリは750GB、本体の外形サイズは67.1×53.8×122cmとなっている。

photo 超高周波超音波画像診断装置「SonoSite Vevo MD」 出典:富士フイルム
photo 周波数の違いによる超音波画像の見え方の比較。下腿体表付近の2本のリンパ管(黄矢印)と、静脈(青矢印)を周波数18MHzの超音波プローブと70MHzのVevo MD)で、観察比較したもの(クリックで拡大) 出典:富士フイルム
photo 専用プローブ「UHF70」と「UHF48」 出典:富士フイルム

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