日本マイクロソフトは2019年6月25日、業種や用途に特化したデジタル変革を支援する「Microsoft Partner Network(MPN) for Industryパートナー プログラム」の開始を発表。合わせて、同パートナープログラムを利用し、業種に特化したデジタル変革のレファレンスアーキテクチャ(参照モデル)構築に取り組むDNPと富士フイルムがそれぞれの事例を発表した。
日本マイクロソフトは2019年6月25日、業種や用途に特化したデジタル変革を支援する「Microsoft Partner Network(MPN) for Industry パートナープログラム」の開始を発表。合わせて、同パートナープログラムを利用し、業種に特化したデジタル変革のレファレンスアーキテクチャ(参照モデル)構築に取り組むDNPと富士フイルムがそれぞれの事例を発表した。
多くの産業でデジタル技術とデータを中心とした第4次産業革命と呼ばれる変革の動きが加速している。しかし、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの新たなデジタル技術に加えて、業種や用途に専門の知識や商習慣などを把握しなければならないデジタル変革で成果を得るためには、広い範囲の技術リソースやビジネスリソースが必要となり、1社での実現は難しい。さらに部門間やシステム間での調整なども必要となり、全体最適を実現するシステムおよび仕組み作りが難しいため、取り組みを開始してもビジネス価値が得られるようになるまでに非常に長い期間が必要になる。
こうした状況が、デジタル変革への取り組みのROI(投資対効果)を下げ、大きな投資が行われないという状況を生み出していた。日本マイクロソフトの取り組みは、これらの業種や用途における典型的な用途をベースとしたレファレンスアーキテクチャをそれぞれの産業の企業とともに構築することを目指したものである。従来のIT導入をベースとしたパートナープログラムと異なり、産業ごとに特化したパートナープログラムを用意したことが特徴となる。
製造業でも「モノ」から「コト」へのサービス化などへの取り組みが広がっているが、従来はITを展開してこなかった業種の企業が、デジタルソリューションを顧客に対して展開できる手助けをするというのが「MPN for Industry パートナープログラム」の狙いである。
日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部長の高橋美波氏は「業界共通のシステム実装方式やデータ構造などをレファレンスアーキテクチャにまとめることで、パートナー企業はサービス構築期間の短縮化が可能となる他、開発、運用、保守コストを下げることができる。ユーザーは差別化できる新事業開発などにフォーカスしイノベーションライフサイクルを短縮化できる」と述べている。
「MPN for Industry パートナープログラム」には、日本マイクロソフトの従来のパートナープログラムに参加した企業に加えて、産業独自の新規企業などが参加する。「現状では産業特化型のパートナーについては、3分の1に満たないが、今後増やしていき半分くらいは産業特化のパートナーが占めるようにしていきたい」(高橋氏)としている。
製造業向けのパートナーとして参加表明をしているのは、アクセンチュアやアビームコンサルティング、伊藤忠テクノソリューションズ、コベルコシステム、ソフトバンク・テクノロジー、電通国際情報サービス、東京エレクトロンデバイス、東芝デジタルソリューションズ、東洋ビジネスエンジニアリング、日鉄ソリューションズ、日本システムウエア、NEC、日本ユニシス、PTCジャパン、日立ソリューションズ、富士ソフト、富士通、ユニアデックスなど31社。その他、流通業界向け、金融向け、ヘルスケア向けでパートナーを集めている。
これらのパートナープログラムを通じて、業界のデジタル変革に取り組もうとしているのが、大日本印刷(DNP)と富士フイルムである。
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