可視光域と近赤外線域で同時撮影できる1億2000万画素CMOSセンサー組み込み開発ニュース

キヤノンは、1億2000万画素CMOSセンサー「120MXSI」を発売した。可視光域と近赤外線域で同時に撮影できるため、工場での検査や計測、農業、医療など幅広い分野への応用が期待できる。

» 2019年04月19日 08時00分 公開
[MONOist]

 キヤノンは2019年3月26日、カラー画像と近赤外線画像を同時に撮像できる、1億2000万画素CMOSセンサー「120MXSI」を発売した。カメラの台数を抑えられるため、撮像システムや検査装置の小型化に貢献する。

photo 1億2000万画素CMOSセンサー「120MXSI」 出典:キヤノン

 可視光と近赤外線4種のオンチップフィルターを採用し、1つのセンサーで、同画角のカラー画像と近赤外線画像を同時に取得できる。有効画素数は1億2000万(13272×9176)で、フルハイビジョン(1920×1080)の約60倍。画素サイズは2.2×2.2μmとなっている。

 多数の画素から信号を高速で読み出す並列信号処理技術により、最高速度11.3Gbps、最高9.4fpsで全画素を読み出すことができる。高精細画像の連続撮影や動体撮影にも対応する。

 また、垂直方向の部分読み出しが可能で、垂直方向に任意に切り出して8Kや4K映像が取得できる。画像のトリミングや電子ズームをした場合も、精細で鮮明な画像を得られる。

 近赤外線の特性を生かし、可視光画像と組み合わせることで、農作物の生育状況や生体内組織の可視化、食品工場での異物混入検査など、さまざまな分野で利用・応用できる。

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