高速動作タイプの中空スポット溶接ロボット、サイクルタイムを短縮FAニュース

安川電機は、中空スポット溶接用途のロボット「MOTOMAN-SP」シリーズから「MOTOMAN-SP180H-110」を発売した。スポット溶接動作のサイクルタイムを短縮し、大型ロボット並みの広範囲の溶接が必要な工程などに適用可能だ。

» 2019年03月12日 13時00分 公開
[MONOist]

 安川電機は2019年2月21日、中空スポット溶接用途のロボット「MOTOMAN-SP」シリーズから「MOTOMAN-SP180H-110」を発売した。「MOTOMAN-SP180H」をベースにした高速動作タイプの中空スポット溶接ロボットとなる。

 可搬質量は110kg、最大リーチは2702mm。新たな制御方式を採用し、世界各地で異なる電圧や安全規格に対応する新型ロボットコントローラー「YRC1000」と組み合わせることにより、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出す。YRC1000には、電源回生機能を搭載。電圧変換回路も内蔵しており、380〜480Vの海外電圧にもトランスレスで対応する。

 可搬質量180kgのMOTOMAN-SP180Hと同様のリーチながら、可搬質量を110kgとすることで生じるモーターの余力を各軸の最大速度と加減速度の最適化に活用し、スポット溶接動作のサイクルタイムを短縮。大型ロボット並みの広範囲の溶接が必要な工程などに適用可能だ。

 上アーム中空構造を採用し、艤装メンテナンス性が向上。リスト部が開放構造となっており、容易に艤装ケーブルの取り外し、取り付けができる。単線ケーブル交換にも対応し、保守性を高めた。

 艤装時のリスト干渉半径とリスト幅を縮小し、対象物との接近性も向上した。ロボット外形からのはみ出しを最小限にするため、U軸の上腕部後方に機器を追加できる空間を確保している。

 容量2.5kWのサーボモーターを新たに開発し、アルミニウムや高張力鋼板など新素材向けの高加圧スポット溶接への対応力を強化した。電動ガン用サーボモーターは、バッテリーレス化で、生産性、メンテナンス性の向上に貢献している。さらに、最高速度動作指定により、直線動作時の最高速度制限を撤廃した。

 新たな軌跡制御を採用し、軌跡誤差を最小化。テスト運転、プレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作する。また、ロボットとコントローラー間の接続ケーブルを1本にし、セットアップ時間を大幅に短縮する。

 他に、マニピュレーター内部の通信線の断線や各軸サーボモーターのエンコーダー異常が発生した際に、異常箇所を特定しやすくなった。これにより、仮復旧や仮配線にかかる時間を短縮する。

photo スポット溶接ロボット「MOTOMAN-SP180H-110」 出典:安川電機

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