“クルマはトヨタのものを”という点では、用途や走行距離など各種モビリティサービスの特性に合わせて3種類のMaaS専用車両をそろえる。「これらの車両の延長に自動運転を使ったモビリティサービスがある」(友山氏)とする。具体的には、人や貨物など多目的な近距離輸送に大型サイズの電気自動車「e-Palette」を提供する。導入時期は2020年を想定している。中長距離を走行するライドシェア向けには、「シエナ」ベースのハイブリッド車を2021年に投入する。この車両はUberが使う。さらに、短距離〜中距離のライドシェアには、小型サイズの電気自動車を提供する考えだ。
友山氏はMaaS向け車両の販売比率について「2030年ごろに全体の数%、地域によってはそれ以上の台数になる」との見通しを示した。新車販売への影響は懸念しておらず、MaaSで車両の稼働率が上がることにより、代替サイクルが短くなると見込む。「日本では代替サイクルが9年だが、ライドシェアでは稼働率が一般的な乗用車の5〜10倍になる。代替サイクルが7年半に短くなると、その分の需要を生むということだ。バリューチェーンを掌握し、代替につなげられるのであれば、プラスの要素はあっても劇的なマイナス要因はない」(友山氏)。
MaaSは、さまざまな移動手段を1つの決済で完了することが強みになる。これに関してはトヨタファイナンスと連携してマルチモーダルなサービスを検討しているという。鉄道会社などとの具体的な連携は「現時点でいえるものはない」(友山氏)とコメントした。
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