村田機械は、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、さまざまなIoT(モノのインターネット)プラットフォームとつなげる「ムラテックIoTソリューション」をはじめ、工場をスマート化するためのIoTやAI(人工知能)の関連技術を一同に集めて披露した。
村田機械は、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、さまざまなIoT(モノのインターネット)プラットフォームとつなげる「ムラテックIoTソリューション」をはじめ、工場をスマート化するためのIoTやAI(人工知能)の関連技術を一同に集めて披露した。
同社では、旋盤やターニングセンター、スカイビング加工機などの工作機械を展開している。その一方で「工作機械メーカーとしてつながる機械を提供していく必要もあるが、顧客の工場にある古い機械や他社の機械もつながらなければならない」(同社の説明員)」として提案しているのがムラテックIoTソリューションだ。
ムラテックIoTソリューションは、CNC装置の大手であるファナックが展開する「FIELD system」、三菱電機やオムロン、日立製作所などが参加する「Edgecross」、シーメンスが提供する「MindSphere」といった、工場で用いられるIoTプラットフォームとオープンにつながることを想定している。その上で、工場の現場で用いられているCNC装置の通信データを工作機械向けのオープン通信規格「MT Connect」に変換し、扱いやすくするための取り組みも進めている。
グループ会社のサイレックス・テクノロジーが開発している「CNC装置向けプロトコルブリッジ」がそれで、LAN接続が可能なCNC装置の通信データをMT Connectに変換する機能を持つ。2019年春の発売予定で、現在はファナック製CNC装置への対応を予定している。また、Wi-Fiの通信機能も備えており、工場内の無線接続も可能になる。このプロトコルブリッジが対応するCNC装置やPLCを広げていくことで、さまざまなメーカーの工作機械が混在する工場のデータとIoTプラットフォームのつなぎこみがより容易になるというわけだ。
その実例として、村田機械が展示している工作機械の通信データとともに、他社であるエンシュウが展示している工作機械の通信データをプロトコルブリッジで変換して表示するデモを披露した。
また、ムラテックIoTソリューションの一環として、村田機械の情報機器事業部が扱うUTM(統合脅威管理)機能内蔵ネットワークストレージ「InformationGuard Plus」も展示した。InformationGuard Plusは、トレンドマイクロのセキュリティライセンス契約5年分込みで中小規模事業所の業務データを安全に守れることを最大の特徴としている。同事業部は、IoT時代の工場が外部ネットワークとつながることが求められるのに対して、工場の事務所などにInformationGuard Plusを設置し、セキュアなネットワークの出入り口として利用することを提案している。「当社は、倉庫に用いられる物流機器も扱っており、今回展示した工作機械、プロトコルブリッジ、外部ネットワークとつなぐ部分まで含めて、工場丸ごとでIoTソリューションを提案できる」(同社の説明員)としている。
これらの他、情報機器事業部が開発中のバーコードベースの納期管理システムや、Linuxベースの小型IoTゲートウェイに組み込めるほど軽量なAI(学習と推論の両方が可能)を用いた主軸故障診断ソリューションなども披露した。
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