村田機械は、監視用カメラシステムに深層学習フレームワークを組み込み、AIによるリアルタイムの画像解析をシステム制御に活用する自動倉庫システムを開発し、設備稼働環境での実証試験を開始した。
村田機械は2018年5月7日、荷物移載時のトラブル低減及び稼働効率向上を図る自動倉庫システムを開発し、設備稼働環境での実証試験を開始したと発表した。自動倉庫に搭載する監視用カメラシステム「CSU-100」に、ディープインサイト開発の組み込み分野に特化した深層学習フレームワーク「KAIBER」を組み込み、AI(人工知能)によるリアルタイムの画像解析をシステム制御に活用した。
愛知県犬山市にある犬山事業所「ムラテック・グローバルパーツセンター」内の自動倉庫にKAIBERを組み込んだカメラシステムを搭載して検証を進める。同年秋には、フィールドでの実運用を開始する予定だ。
商品の保管や発送を担う配送センター内で稼働する物流システムは、急速に増加するEコマースなどにより、安定稼働に対する要求が高まっている。自動倉庫では、移載装置上やラック内の荷物の荷崩れや梱包の不備などをいち早く検知することで、未然にトラブルを回避できる。しかし、扱う製品荷姿が多種多様になるとともに処理速度向上が要求される中で、従来のセンサーによる検知だけでは判断に十分な精度を得るのは難しかった。
今回のシステムの開発により、人の目で監視するのと同様のリアルタイムな判断が可能になり、検知能力の大幅な向上が期待できる。
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