ファナックは「JIMTOF2016」において、同社が展開する工場用IoT基盤「FIELD system」の壮大な実演を行った。同システムによりJIMTOFに出展した機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現した。
ファナックは「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」(2016年11月17〜22日、東京ビッグサイト)において、同社が展開する工場用IoT基盤「FIELD system」の壮大な実演を行った。同システムによりJIMTOFに出展した機械メーカー80社、250台の工作機械をつなぎ、稼働状況の見える化を実現した。
ファナックは、2016年4月に米国のネットワーク関連企業Cisco Systems(以下、シスコ)、米国の産業オートメーション関連企業のRockwell Automation(以下、ロックウェル)、深層学習技術などを開発する人工知能関連ベンチャーPreferred Networks(以下、PFN)と提携し、製造現場向けのIoT(Internet of Things、モノのインターネット)プラットフォーム構築での協業を発表※)。新しく展開するプラットフォームを「FIELD system」と名付け、開発を進めてきた。
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その後、コアパートナーにNTTグループを加えた他、API(アプリケーションプログラムインタフェース)を公開。アプリケーションパートナーやデバイスパートナー、トータルインテグレーションパートナーなどを募ってきた。2016年8月には最初のパートナー会を実現し、200社以上のパートナーが参加している※)。
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「FIELD system」は、CNC(Computerized Numerical Control)や産業用ロボット、各種センサーなどのデータを集積し、一定の分析および制御を実現するIoTプラットフォームである。特徴となるのが、多くの情報を収納でき大規模な演算を行えるクラウド領域と、現場情報となるエッジの中間である「Fog」領域に設置している点だ。
これにより、データの収集や分析をより現場に近いところで行えるようになるため、リアルタイム性を持った処理なども可能となる。従来の製造現場IoTといえば、データを吸い上げ閲覧するというような「見える化ツール」にとどまっていたケースが多かったが、「FIELD system」は将来的には機器のリアルタイム制御など、物理的な自動制御まで目指している点に違いがある。
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