日本能率協会は2018年8月6日、「2018年度(第8回)GOOD FACTORY賞」の受賞企業として、5工場を発表した。
日本能率協会は2018年8月6日、「2018年度(第8回)GOOD FACTORY賞」の受賞企業として、5工場を発表した。
同表彰制度は、アジア地域で工場の生産性や品質の向上など体質革新活動に取り組んでいる事例に着目し、そのプロセスや成功要因、現場の知恵、従業員の意識改革、社会的貢献といった内容を表彰するものだ。
第8回となる今回は、東京工業大学 教授の伊藤謙治氏を委員長とする審査委員会の書類審査、現地審査を経て、次の5企業、5工場が受賞した。
NECのNECプラットフォームズ掛川事業所(静岡県)は「ものづくりプロセス革新賞」を受賞した。同事業所はインターネット接続端末(ホームゲートウェイ)の企画、開発、生産を行っている。ホームゲートウェイの生産量は月に20万台規模で量産型の生産形態を取っている。この中で取り組んだのが、資源循環型生産方式の確立だ。特に評価を受けたのが、モノづくり革新活動と製品ライフサイクルに関連する一連のプロセスをサービスとして提供する点、見える化の徹底、人材育成などである。
オークマの本社DS2部品工場(愛知県)も「ものづくりプロセス革新賞」を受賞した。同工場は工作機械向けの部品を製造している。その中で、IoT(モノのインターネット)などを活用したスマートファクトリー化による超多品種少量の高効率生産体制の構築をテーマに取り組んだ。特に、約4000品目の工作機械部品の製造においてマスカスタマイゼーションに対応すべく、IoTと現場の改善力を融合し、自動化と無人化を推進している点、熟練技能の教育、各種マネジメントの工夫などを評価のポイントとして挙げている※)。
※)関連記事:オークマの“夢工場”はスマート化とロボット化で花開く
コマツの大阪工場・生産技術開発センタ(大阪府)も「ものづくりプロセス革新賞」を受賞した。大阪工場は、新しい技術の開発拠点でもあり、技能の手本になることが望まれている。そのため「つながる工場」を推進し、生産性2倍、サプライチェーン最適化、トレーサビリティー確保による品質保証への取り組みを進めた。大阪工場所内にある生産技術開発センタと協働し、その仕組みである KOM-MICS(Komatsu Manufacturing Innovation Cloud System)を導入。科学的アプローチによりプロセス革新を自工場から協力会社まで広範囲に行った。これらの実績が評価を受けたという。
東レの関連企業であるPenfibre Film Factory(PFR、マレーシア)は「ファクトリーマネジメント賞」を受賞した。PFRは、PETフィルムのグローバル生産および汎用量産品工場としての役割を担ってきた。ただ、新興国工場などでの生産が進んだことから、フィルムの品位向上や高付加価値製品への転換を推進。「PETフィルムの高付加価値化と生産基盤強化」をテーマに現場マネジメントや組織面の改善を進めた点が評価を受けた。
ブラザー工業の中国工場である兄弟機械(西安)(中国)は、「ものづくり人材育成貢献賞」を受賞した。西安工場では、人材(西安工場では人財と言っている)に焦点を当て、その誇りと成長を大切にしている。現地スタッフを中心とし、ローコスト工場からグローバル製造拠点となることを目指して企画、運営を推進。工場の基本性能向上を推進する企画運営、工場従業員のコミュニケーションや相互研さんを進める企画運営の2種類の取り組みを進めている。「匠道場」と呼ばれる独自の育成の仕組みやイントラを使った「イイねシステム」という相互称賛の仕組みなどを展開している点などが評価されたという。
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