電気・ソフト系エンジニアが活躍する職場の中でも、特に安定しているといわれる自動車業界。自動運転技術やIoT(モノのインターネット)、EV(電気自動車)など新しい技術開発がめじろおしの自動車業界が今カメラやスマホ、通信機器、OA機器など、異業界で活躍するエンジニアを積極的に中途採用していることをご存じですか?
電気・電子・ソフト・半導体領域で以下のバックグラウンドがある方は、お持ちの技術が自動車業界でも生かせます。
- 研究開発
- 電気設計・回路設計
- 制御設計・組み込みソフトウェアエンジニア
- 技術営業/アプリケーションエンジニア
それでは、どんな技術が自動車業界でどのように生かせるのか、具体的に見てみましょう(表1、図1)。
表1
図1
- 自動運転技術:車載カメラやミリ波レーダー、赤外線レーザーといったセンシング技術で道路状況・交通状況を把握し、システムが加速・操舵・制動を行います。緊急時やシステム限界時以外のシーンで自動運転を行う段階(レベル3)は2020年までに、ドライバーが全く関与しない完全自動運転(レベル4)を2025年までに実用化を実現することを、経済産業省が目標として掲げています。
- プラグインハイブリッド車やEV(電気自動車)の開発:ガソリンエンジンの代わりに大容量の燃料電池と大型車載モーターで、電気のみでの走行を可能にするプラグインハイブリッド車とEV。これら次世代自動車の開発では、燃料電池の大容量化に加え、車載モーターの開発が進みます。矢野経済研究所によると、車載モーターの世界市場規模は2015年時点で約28億5900万個で、2020年には約36億個を突破、そして2025年には約44億個に拡大する見通しです(矢野経済研究所、2016年)。
- 自動車のミラーレス化:バックミラーやドアミラーの代替となる、車載カメラと車載ディスプレイで後方確認を行う電子ミラーが2016年に解禁されました。カーデザインの幅が広がることに加えて空力性能の向上にもつながることから、鏡よりも視認性の高い高解像技術の開発が進められています。
- IoT/テレマティクス:スマートフォン用OSの車載器への導入や、自動運転システムとインターネットを連動させるシステムの開発、セキュアなIoT通信を可能にする移動通信技術の開発をはじめ、さまざまなテレマティクスのかたちが模索されています。
現在の自動車は、1台当たり数十を超える電子制御ユニットを持つ、巨大な電子機器。そこにはカメラ・通信機器・OA機器などに使用されている技術がふんだんに使われています。
図2:2012〜2016年のエンジニア求人数推移(自動車業界の電気・ソフト):クイックによる調査
自動運転技術やIoTといったカーエレクトロニクスのさらなる進化を目指す上で、課題となるのは技術力の確保です。例えば「人が運転しなくて良いクルマ」や「ネットとつながるクルマ」を実現するためには、カメラや通信といった、これまで自動車メーカーが所有してこなかった、異業種の専門技術が必要になります。
そのため自動車メーカー各社は、自動車以外の電気系・ソフト系の業界からエンジニアを積極的に採用しているのです。トヨタ・日産・ホンダといった完成車メーカーはもちろん、それを支える部品メーカーも目標に向けて技術力を求めています。
企業側は技術力で応募者を判断するため、大手メーカーの方だけでなく、中小部品メーカーでお勤めの方も対象に。まだ自動車業界に電気系・ソフト系エンジニアが少ない今だからこそ、異業界から自動車業界への転職はとてもしやすい状況になっています。
- 業界・企業ともに安定している:自動車業界が他業界と異なるのは、首位のトヨタをはじめ、ホンダや日産など…世界に誇れるメーカーが多数存在すること。自動車産業は日本の基幹産業、全世界で販売される自動車の1/4にあたる2500万台を日本車が占めています。有力な完成車メーカーが多いことは、そこに部品を供給する自動車部品メーカーの受注の安定にもつながります。自動車業界は、将来安泰の業界と言えます。
- 待遇面が魅力的:「転職することで給与が下がらないか心配」という方がいるかもしれません。ですが、エンジニアの転職では前職での年収が考慮されるため、転職をすることで年収が下がることは稀(まれ)。例えば30代半ばの課長職未満であれば、よほど企業選びを間違わない限り、入社時の提示額が現在の給与を下回ることはほとんどないでしょう。完成車メーカーや有力自動車部品メーカーでは年収900〜1000万円を超える額が提示されることも少なくありません。
- 世の中の役に立つやりがいがある:自動車は生活を支えるインフラそのもの。加えて、現在まさに技術が磨かれている自動ブレーキや自動運転技術は、人々の命を直接救うものです。交通事故を減らし、人々の生活をより安全なものにする……、そんな社会貢献度の高さが、自動車業界で働く人々のやりがいの1つになっています。
- 歴史に残る製品を世に出せる:自動車業界には、これまでにもAT(オートマチックトランスミッション)やエアバッグなど新たな技術が誕生してきました。ですが、近年の新技術、とりわけ自動運転は、クルマそのもののあり方に革命をもたらすもの。「人が運転しなくても走る」という、空想の世界にしか存在し得なかった技術がこれから実現しようとしています。今なら、世の中を変える革新的な製品を、あなたの手で世に送り出すことができます。
あなたの技術力を、自動車業界のさらなる発展に役立ててみませんか?
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