双腕ロボット「NEXTAGE」の新モデルを披露、人作業の置き換えを加速M-Tech2018

THKインテックスは「第22回 機械要素技術展」(以下、M-Tech2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)において、カワダロボティクスの双腕ロボット「NEXTAGE」新モデルを一般展示会で初めて出展し、稼働デモを披露した。

» 2018年06月25日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 THKインテックスは「第22回 機械要素技術展」(以下、M-Tech2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)において、カワダロボティクスの双腕ロボット「NEXTAGE」新モデルを一般展示会で初めて出展し、稼働デモを披露した。

photo 参考出展されたカワダロボティクスの「NEXTAGE」新モデル(クリックで拡大)

人の協働作業で、既に500台以上を導入

 THKインテックスはカワダロボティクスと協業し、次世代双腕型産業用ロボット「NEXTAGE」のインテグレーションに2011年から取り組んでいる。NEXTAGEは頭部にステレオカメラ、手先にハンドカメラを搭載しており、部品や工具の位置を確認しながら作業できる。人間と同じ環境で作業しても安全で「人作業の置き換えに使える」ということが特徴となっている。

 「NEXTAGE」は2009年のコンセプト発表以来、電気機械や電子部品、自動車分野の組み立てや検査工程、化粧品や医薬品などの新しい領域で採用。THKインテックスとしても「既に500台以上の導入を行っている」(THKインテックス 装置事業本部 ロボット部 課長代理の杉浦幸洋氏)としている。

 「NEXTAGE」新モデルは2018年7月2日に発売予定。従来モデルと同様「人の作業の置き換え」というコンセプトは維持した上で、可搬質量を向上させた。従来モデルは片腕の可搬質量が1.5kgだったが、新モデルでは2.5kg(最大3kg)に向上させた。「従来モデルは人と安全に共存できることを目指したために可搬質量を小さく設定していたが、もう少し重いモノも持てるようにしてほしいという声もあった。それに応えた形だ」と杉浦氏は述べている。その他、動作スピードやビジョンの高速化なども実現しているという。

photo 「NEXTAGE」新モデルは可搬質量を向上したためややごつくなっている(クリックで拡大)

 これらの機能向上の一方で、従来モデルで標準搭載されていたハンド部分のカメラなどはオプションとなるなど、オプション対応の領域が広がっている。自由度は高まった一方でインテグレーターの役割は大きくなりそうだ。「デモ機のハンドも3Dプリンタで製作した。顧客ニーズに合わせて最適な作り込みが必要になるので、その提案を強化していく」と杉浦氏は述べている。

photo THKインテックスが3Dプリンタで製作したハンド。従来モデルよりもオプション領域が広がり「インテグレーションの重要性が高まる」という(クリックで拡大)

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