またAIを活用した製造装置の劣化診断サービスなども紹介した。機器の情報を収集してAIで分析し異常を把握するというサービスはさまざまな仕組みが登場しているが、パナソニックが今回提案するのはデータの取得方法に工夫がある点が特徴だ。
機器の異常診断は「振動データ」を活用することが多いが、振動を指標とすると、人が設備に触ったり作業車が移動したりする場合など、機器周辺の外乱の影響を受けやすい。そのため、データとしてのノイズが多くなり、有効な分析結果が出せない場合がある。パナソニックではこれを避けるために振動センサーを採用せず、モーターの高調波を検知する高調波センサーを使ったことがポイントとなる。
「設備機器の異常は最終的に可動物への影響につながるが、可動物を動かしているのはほとんどがモーターなので、モーターに何らかのおかしな挙動が出るはずという考え方で開発した。モーターの高調波をセンシングすることで、外乱の影響を抑えるとともに、電気的接続なしにクランプオンで簡単に後付けできるようになる。現場の負担が小さく異常監視ができる」(ブース説明員)としている。
劣化診断サービスのデモ。左側でパネルをたたいているが、振動センサーはノイズを拾っている(赤丸部と青丸部のディスプレイ下のグラフ)が高調波センサーはノイズの影響を受けていない(赤丸部と青丸部のディスプレイ上のグラフ)。青丸部では摩耗があり異常が発生している状況だが、高調波センサー(ディスプレイ上のグラフ)ではノイズを拾わずに異常情報は拾えている(クリックで拡大)AIでは波形のパターン認識し、いつもの違う情報を診断する。通常データから外れる情報を見つけるために「正常データ」だけで学習できる点もポイントだとしている。「製造現場で異常データを作るのは難しく現実的ではない。正常データだけで実現できる利点を訴える」(ブース説明員)としている。
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