NEDOは、AIチップや次世代コンピューティングに関する2つの新事業「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業」を開始する。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年4月20日、AI(人工知能)チップや次世代コンピューティングに関する新たな研究開発事業を開始すると発表した。「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」「AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業」のそれぞれの研究開発項目で事業を募集する。
AIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業では、「革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」「次世代コンピューティング技術の開発」が研究開発項目となる。
情報の利活用においては、クラウドシステムに情報を転送/集約して処理するクラウド集約型が用いられている。しかし今後、IoT(モノのインターネット)によって情報の急増が見込まれ、現在のクラウド集約型から、ネットワーク接続されたエッジ側で中心的な情報処理を行うエッジコンピューティングによる分散化が鍵となる。そこで、エッジ側で低消費電力かつ高速にAI処理するコンピューティング技術の研究を進める。さらに、クラウド側でも消費電力を低減するため、ヒトの脳を模した脳型コンピューティングや、組み合わせ最適化問題を超高速に解く量子アニーリングなどの次世代コンピューティング技術の研究開発を行う。
AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業では、中小・ベンチャー企業の設計開発を支援する「AIチップに関するアイデア実用化に向けた開発」と、「AIチップ開発を加速する共通基盤技術の開発」を研究開発項目とする。
中小・ベンチャー企業のアイデアを実用化するため、その設計開発を支援する他、開発の加速に必要な共通基盤技術として、設計や評価、検証などの開発環境を持つ拠点を整備する。また、チップ開発を促進する共通技術の創成、IoTやAI技術活用の知見・ノウハウを持った人材育成の環境整備などを行う。
研究開発項目のうち、革新的AIエッジコンピューティング技術の開発については、同日より公募を開始した。他の3項目は、同年5月以降に順次募集を開始する。
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