足元好調なFAシステム事業が、今後の成長戦略のトップに掲げるのがFA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」だ。2003年からコンセプトを提唱し、2010年にパートナープログラム「e-F@ctoryアライアンス」を発足させた。e-F@ctoryは、これまでに社内外で全世界7700件以上の導入実績があり、e-F@ctoryアライアンスは約610社が参加している。宮田氏は「量産から個産まで国内生産を手掛ける三菱電機のノウハウを展開できていることが強みだ。『中国製造2025』で推進しようとしている製造業の智能化のモデルラインにも選ばれている。中国で智能化製造を実現できている企業は3社あるといわれているが、それらのうちの1社が当社だ」と説明する。
e-F@ctoryとも深く関係する工場のIoT化では、生産現場に求められるリアルタイム性の向上、セキュリティの確保、通信理量の低減につながる「エッジコンピューティング」を重視。2017年11月に、エッジコンピューティング領域のオープンなソフトウェアプラットフォームの開発を推進するEdgecrossコンソーシアムが発足したが、三菱電機はその幹事会社として主要な役割を果たしている(関連記事:三菱電機のFA-ITオープンプラットフォーム構想が「Edgecross」に、2018年春発売)。
2018年度からは、Edgecrossを搭載する産業用PC「MELIPC」の投入や、三菱電機のAI(人工知能)技術「Maisart」を活用した「リアルタイムデータアナライザ」、SCADA「MC Works64」など、エッジコンピューティング関連の製品投入を加速する構えだ。
リアルタイムデータアナライザで活用するMaisartについては、アルゴリズムをコンパクト化できるという特徴を生かしてFA機器への搭載を推進。2018年度は、リアルタイムデータアナライザを含めて7機種に適用する。
また、2016年4月から国内展開している、IoTを活用したサービスソリューションである放電・板金レーザー加工機の生産・保守支援サービス「iQ Care Remote4U」を、2018年度からは海外でも開始する。これまでの累計で国内の約600台に適用しているという。
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