三菱電機がFAシステム事業の戦略について説明。同事業の2017年度売上高は、自動化やIoT化に向けた国内外の旺盛な設備投資需要を受けて好調で過去最高を更新する見通し。中長期の事業目標として2025年度の売上高を9000億円以上するとともに、生産能力としては2025年度時点で売上高1兆円の体制を整備するとした。
三菱電機は2018年3月27日、東京都内で会見を開き、FAシステム事業の戦略について説明した。同事業の2017年度業績は、自動化やIoT(モノのインターネット)化に向けた国内外の旺盛な設備投資需要を受けて好調で、4〜12月までの3四半期で売上高は約5100億円に達しており、2017年度全体の売上高も過去最高を更新する見通しだ。中長期の事業目標は、2020年度が売上高7400億円、海外比率54%、2025年度が売上高9000億円以上、海外比率56%となっている。
同社 常務執行役 FAシステム事業本部長の宮田芳和氏は「自動化やIoT化に向けた設備投資需要は、今後も国内外ともに伸びるだろう。その需要に対して、新分野や新市場の開拓、シェアアップを図ることで事業目標を達成したい。2025年度の売上高目標は9000億円以上としたがもっと伸ばせるだろう。このため、生産能力としては2025年度時点で売上高1兆円の体制を整備する」と語る。
売上高1兆円の体制構築に向けた第1段階の生産体制強化として、国内では名古屋製作所、海外では中国とインドでの工場建設を計画している。まず、名古屋製作所では、2018年度に中部地区の工場用地購入を検討し、2019年度に新工場建屋や事務棟を建設する。「2つの大きな工場の建設を検討している。これは、既存の建屋からのスクラップ&ビルドを含む」(宮田氏)という。
中国については、2017年3月から第二工場を稼働している常熟地区と、大連地区の生産拠点を拡大する。インバーターのノックダウン生産を行っているインドでは、より本格的な生産に向けた新拠点の設立について2018年度中をめどに決める。これらの他、ACサーボの生産能力を2016年度比1.7倍の月産48万台、シーケンサーは同1.6倍の月産19万台に増産する計画だ。2018〜2021年度にかけて工場の用地取得と建屋建設にかける投資額は約400億円(工場に導入する設備の金額は含まず)。
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