東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座グループとディー・ディー・エスは、従来よりも高精度な指紋認証が可能なセンサーと解析アルゴリズムを開発した。指先の汗孔など指紋のレベル3情報を用いることで、小型のセンサーを使いながらより高精度な指紋認証が可能になるという。
東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座グループ(SiSOC TOKYOグループ)とディー・ディー・エス(DDS)は2018年3月19日、東京都内で会見を開き、従来よりも高精度な指紋認証が可能なセンサーと解析アルゴリズムを開発したと発表した。スマートフォンに組み込み可能な小型のセンサーチップも試作済みで、早ければ2019年春ごろまでに採用製品が発表される可能性がある。
両社が開発したのは、指紋のレベル3情報(第三次特徴)を高精度に取得できるセンサーと、その情報を用いて高精度に個人認証を行うための解析アルゴリズムだ。DDSが2016年から開発を始めた技術について、SiSOC TOKYOグループ 特任教授の梅崎太造氏が指導、検証を行い、今回の発表に至った。既に特許も申請済みである。
試作した指紋センサーは、3.5×5mm角でスマートフォンに組み込み可能なサイズだ。3.5mm角の撮像サイズでの解像度は約3000ppi(1インチ当たりの画素数)に達する。従来の指紋センサーで同じ撮像サイズの場合、解像度は約500ppiなので6倍の解像度を実現した。コストについても「現行の指紋センサーと同程度、もしくはより低価格になる」(梅崎氏)としている。なお、センシング技術は、特殊な膜とLED光を用いて実現しているが詳細は非公開。
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