アンシス・ジャパンは同社の設計者向けCAEツール群「ANSYS Discoveryファミリー」を国内で販売開始した。そのうちの1つであるDiscovery Liveは、境界条件から計算結果表示までが数秒と高速で、かつその場でモデルの修正をしても即座に形状が修正される。
アンシス・ジャパンは2018年2月20日、同社の設計者向けCAEツール群「ANSYS Discoveryファミリー」の製品説明会を開催した。同製品群は3D CAD「Discovery SpaceClaim」、リアルタイムシミュレーションツール「Discovery Live」、設計者向けシミュレーションツール「Discovery AIM」の3つで構成する。2018年2月14日より国内販売開始している。
Discovery SpaceClaimはフィーチャ履歴を持たないダイレクトモデラ―。中間ファイルの他、主要な3D CADのネイティブデータの直接取り込みに対応する。ネイティブデータを取り込んだ場合、フィーチャ履歴は引き継がれないが、安定したデータ取り込みができる。取り込んだデータはネイティブデータに戻すこと(エクスポート)はできない。
Discovery Liveは、2017年9月からプレビュー版を公開し、今回製品版としてリリースし、日本語対応もした。構造、流体(内部と外部)、熱、モーダル(振動形態)の解析に対応し、ユーザーがメッシュを切らずに解析ができ、結果は境界条件を設定してすぐに表示される。Discovery Liveと連携するSpaceClaimで形状を修正しても、即結果に反映される。計算や結果表示の速度が速い代わりに、結果の精度は粗くなる。設計初期段階や、さまざまな部門を招いてのDRなどにおいて、現象の大体の傾向を見る、複数パターンの相対比較をするといったことに向いている。
Discovery Liveはエヌビディアが開発協力し、GPUとCUDA(Compute Unified Device Architecture:クーダ)の並列計算技術を利用することで素早いリアルタイム表示をかなえている。Discovery Liveの推奨環境としては4GB以上のメモリを搭載したGPUと、最新のグラフィックドライバーがインストールされたマシンとなる。動作実績のあるグラフィックボードとしては、NVIDIA Quadro M1200、M2000M、M4000、K1200、K4200を挙げているが、GPUの性能に比例してよい精度が得られるとしている。
Discovery AIMは旧「ANSYS AIM」であり、電磁界と熱、構造、流体の解析に対応する。従来通りのユーザーがメッシュを切るタイプのCAEであり、Discovery Liveよりも高精度な解析ができる。Discovery Liveで設定した境界条件をそのまま引き継いで、Discovery AIMで詳細な解析が実行可能だ。さらにDiscovery AIMの解析の境界条件は、ANSYSの各種ハイエンドCAEツールへ引き継いで解析できる。
なお同製品群は以下3種類のバンドルでのみ販売する。Discovery Live単独では販売しない。
それぞれの販売価格は非公開で、個別に問い合わせが必要だ。15日間限定の無料試用も利用できる。
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