ルネサスの汎用事業では、産業機器分野の市場成長に大きな期待を抱いている。2016年までは年間で数%程度の安定的な市場拡大が続いていたが、2017〜2018年からは、中国やドイツ、日本を中心とした省人化を目的とする自動化、ロボット化などの需要により今までにない成長が始まっているというのだ。
産業機器分野では、自動化やロボット化の実現に関わる異常検知、予知保全、認知検査などをe-AIによって実現する。これらと併せて、半導体や自動車といった高価な専用装置を用いている工場だけでなく、より多用途で汎用な装置を組み合わせて運用している機械・組み立て工場、食品工場をカバーしていきたい考えだ。横田氏は「より多くの工場にe-AIを提案するには、それぞれの現場の需要に合わせていかなければならない。そのためにSIヤーとの連携を重視しており、協調を深めていきたいと考えている」と語る。
また、三菱電機やオムロンなど6社が中心となって立ち上げたエッジコンピューティングを普及推進する「Edgecrossコンソーシアム」とも連携していく。ルネサスは、エグゼクティブ会員として参画し、半導体メーカーの立場から貢献する構えだ。
e-AIの引き合いについては「2017年11月の『システムコントロールフェア2017』で発表したe-AIのレファレンスデザインとなる『AIユニットソリューション』の関連で、既に30社以上との協業が進んでいる。産業機器以外でも、スマートビルやスマートホームで50社の顧客がいる。これら現在の80社以上という顧客数を、今後は200社、300社と増やしていきたい」(横田氏)としている。
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