ニコンは「ロボデックス 2018」において、ロボット用の一体型アクチュエーターを出展した。同社は従来アクチュエータ用のエンコーダーなどは製品化していたが、アクチュエータ本体の製品化に取り組む。
ニコンは、「ロボデックス 2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)において、ロボット用の一体型アクチュエーターを出展した。今後、市場の動向を見定めながら製品化に取り組む方針である。
ニコンでは以前から自社のカメラや半導体露光装置などで培った、精密なアクチュエーター用エンコーダーを展開していた。しかし、生産性革新や「ロボット新戦略」などの動きから、ロボットの社会実装が今後広がる中で一体型アクチュエーターに参入し、ロボットシステムインテグレーターや工場自動化などに向けた提案を進めることにしたという。
ニコン エンコーダ事業室 事業推進部 マーケティング課 副主幹の和田裕平氏は「もともと精密エンコーダー技術などの展開を進めてきたが、協働ロボットなどの新たなロボット市場などが広がりを見せる中で新たな可能性があるのではないかと考えて一体型アクチュエーターの提案を開始した。製品化の時期などは市場の反応次第でまだ決まっていないが、展示会などでは評価を得ている」と反応について述べている。
同社のエンコーダーは光学技術を採用した精密な位置把握が特徴となっている。そのため、協働ロボットなどで人の安全性を守るための衝突センサー(力覚センサー)などなしに、人との接触状況を把握することなどが可能だという。アクチュエーターとしての小型化や省配線化、省電力化などが可能となり、最終的なロボットとしても利用範囲を広げることにつながるとしている。
和田氏は「力覚センサーをゼロにするのは現実的ではないと思うが、6軸の中で1軸や2軸に力覚センサーを搭載するだけで、全軸に力覚センサーを搭載するのと同等の機能を実現するなども可能になる。コスト面などでも利点を発揮できる」と優位点について説明する。
現状で残っている技術的課題としては「光学技術を使っているので、周辺環境の光の影響を受ける。アクチュエーターの組み立ての密閉度が高くないと精度が出ないなどの課題もあり、実用レベルでどう高めていくのかというのは課題として残っている」と和田氏は述べている。
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