The Qt Companyは、「オートモーティブワールド2018」において、同社のUI開発フレームワーク「Qt」の車載システムへの適用イメージを紹介した。
The Qt Companyは、「オートモーティブワールド2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)において、同社のUI開発フレームワーク「Qt」の車載システムへの適用イメージを紹介した。
1つは、ルネサス エレクトロニクスの車載向けハイエンドSoC(System on Chip)「R-Car H3」上で、デジタルクラスタと車載情報機器、それぞれのUIを同時に動作させるシステムだ。ハイパーバイザーとして「INTEGRITY Multivisor」を使用し、デジタルクラスタのUIはリアルタイムOS「INTEGRITY」で、車載情報機器のUIは組み込みLinuxで動作させている。
リアルタイム性や機能安全が求められるデジタルクラスタについては、INTEGRITY上での動作に加えて「Qt Safety Render」を用いて描画することで、ISO 26262のASIL-Bを満足させられる。「Qtとしても、2018年1月中にISO 26262に関する第三者認証を取得できる見込みだ」(The Qt Companyの説明員)という。
もう1つ、興味深かったのが電動バイク向けのデジタルクラスタをイメージしたシステムだ。最大の特徴は、Qtを用いることで、NXP Semiconductorsの「i.MX 7」のようなGPUアクセラレーションを持たないSoCを用いる場合でも、60fpsのリッチで流動性に優れたUIを動作させられる点だ。基本となるメーター表示から、使用電力量や電費に関するグラフ表示、2Dのナビゲーション表示などにスムーズに移行できる。「Qtは、GPUアクセラレーションがない簡素なシステムから、NVIDIAのGPUを使うようなリッチなシステム、デジタルクラスタと車載情報機器の統合コックピットまで幅広く利用できる」(同説明員)としている。
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