SDVにおけるソフトウェアの「インテグレーション」について考えてみるAUTOSARを使いこなす(35)(1/3 ページ)

車載ソフトウェアを扱う上で既に必要不可欠なものとなっているAUTOSAR。このAUTOSARを「使いこなす」にはどうすればいいのだろうか。連載第35回は、SDVに注目が集まる中で改めて求められている「再利用」や「自動化」に、「インテグレーション」がどう絡んでくるかについて考える。

» 2025年03月06日 08時00分 公開
[櫻井剛MONOist]

 前回は、「コードジェネレーターのしもべ」から脱却し効果を得るためには、SDV(ソフトウェアディファインドビークル)というキーワードが注目を浴びている今だからこそ、「再利用」や「自動化」などから恩恵を得るという、基本的/基礎的なことについて本気で取り組む必要があるのではないか、という問題提起をいたしました。

 今さらながらの「再利用」や「自動化」ですが、これらは20世紀からの使い古されたキーワード(あるいは当時のバズワード)と言ってよいでしょう。

 ですが、「自動化」は、その恩恵を得やすい「前倒し(frontloadingあるいはshift-left)」や、自動化の加速手段の一形態でもある「仮想化(virtualization)」のような効果を手にするために不可欠な基盤であり、また、「再利用」の効果を最大化するための重要な手段でもあります。そして、パラメーターのような機械的に処理可能な形式化されたデータ(machine readableな形)で表現されたvariant情報は、よりよい「再利用」のための「自動化」で活躍させることができます。

 では、「インテグレーション」がどう絡んでくるのでしょうか?

 それは、AUTOSARからのお知らせの後にじっくりご説明差し上げます。

⇒連載「AUTOSARを使いこなす」バックナンバー

AUTOSAR日本事務局の2024年の活動振り返りと、2025年の予定

 日本事務局1年目の昨年(2024年)の活動内容は、以下の通りです。

  • [5月22〜24日]自動車技術会2024年春季大会(横浜):Regional Speaker Japanである後藤正博氏による講演「SDVの実現に向けたAUTOSARの取り組み(第2報)」(セッション:高度自動運転を構成する基盤技術−未来の向こう側のクルマを目指して−)
  • [5月22〜24日]人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA(横浜):展示ブース出展
  • [6月11〜12日]15th AUTOSAR Open Conference Tokyo(東京):運営および講演
  • [9月5日]SDVフォーラムX 2024、“AUTOSAR Day”(in オートモーティブワールド)(千葉):企画および講演
  • [11月20〜22日]オートモーティブソフトウェアエキスポ 2024、“AUTOSARパビリオン”(in EdgeTech+)(横浜):展示ブース出展
  • [12月5日]AUTOSAR Release Event R24-11(Virtual):字幕作成

 今年(2025年)は、昨年同様に各種イベントが予定されており、講演や展示ブースの出展もいたします。

 一部、決定しているものをご紹介いたします。既に、他の講演のご依頼なども頂戴しておりますが、固まり次第、順次お知らせしてまいります。

  • [5月21〜23日]人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA(横浜):展示ブース出展
  • [5月22日]自動車技術会2025年春季大会(横浜):Regional Speaker Japanである後藤正博氏による講演「SDVの実現に向けたAUTOSARの取り組み(第3報)」(セッション:「高度自動運転を構成する基盤技術−認識技術の進化と深化」)
  • [5月27〜28日(+26日の前夜祭)]16th AUTOSAR Open Conference Bruges(ベルギー)

 これらの他にも、11月のEdgeTech+でのパビリオン出展に向けて現在関係者と調整を進めております。また、国内での「AUTOSAR利活用改善」を題材としたイベントや情報交換会の開催も検討しています。

 東京だけではなく、可能な限り各地での開催(できることなら、地元の新潟県でも)と考えています。

 ご興味をお持ちの方は、ぜひともAUTOSAR Japan HubのWebサイト に掲載の連絡先までご連絡くださいませ。

AUTOSAR Associate Partner[Light]を発表

 なお、2025年2月20日には、AUTOSAR Associate Partner[Light]に関する発表が行われました。

 従来、AUTOSARを商用利用するためには、Associate Partnerなど年会費などの負担が発生するパートナー資格を得る必要がありました。

 しかし、AUTOSARをより広い範囲でご利用いただけるようにするために、無償でご加入いただけるパートナー資格としてAssociate Partner[Light]が用意されました。ただし、ご利用いただける範囲は、現時点ではAUTOSARが規定するプロトコルの利用に限られます(今後範囲拡大の可能性はありますが、残念ながら、現時点では何も申し上げられることはございません)。

 その他のイベントも各地で開催されています。詳細につきましては、以下のAUTOSARのWebサイトをご覧ください。

⇒AUTOSARのWebサイト

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