トヨタ自動車は、モビリティサービスの新会社「トヨタモビリティサービス」を設立する。トヨタフリートリースとトヨタレンタリース東京を2018年4月に統合して新会社とする。
トヨタ自動車は2017年12月21日、モビリティサービスの新会社「トヨタモビリティサービス」を設立すると発表した。トヨタフリートリース(※1)と、トヨタレンタリース東京(※2)を2018年4月に統合して新会社とする。広域法人の集積地であり、モビリティサービスの進展が最も早く見込まれる東京を新会社の拠点とする。
(※1)トヨタ自動車の完全子会社。(※2)トヨタ東京販売ホールディングスの完全子会社。
トヨタモビリティサービスの取締役社長は、トヨタ自動車の常務役員を兼任する形で村上秀一氏が務める。資本金は17.5億円で、従業員数は1050人となる。
新会社では法人向け自動車リースやレンタカーといった従来の事業の強化に加えて、将来のモビリティ社会を見据えた新たなサービスの創造、提供に取り組んでいく。シェアリングなど、使いたい時に使いたい分だけクルマを利用する新たなニーズに対応するとともに、潜在的なニーズを掘り起こして付加価値の高いサービスを提供することも目指す。
こうした目標に向け、新会社はトヨタ自動車本体だけでなく、グループの自動車メーカー、トヨタコネクティッドやトヨタファイナンス、中古車のトヨタユーゼックなどグループ各社と連携する。
新会社の具体的な取り組みとして、トヨタ自動車の社内カンパニーやグループの自動車メーカーと協力して、法人顧客のニーズ収集と商品へのフィードバックを行う。トヨタ自動車の法人事業部や2018年1月に新設するモビリティサービス企画部との連携により、法人向けのソリューションや、車載通信機器を活用したサービス、シェアリングなど新サービスの開発も進める。
運転時間や走行距離が多く、稼働率の高い法人車両向けに高品質なメンテナンスネットワークも構築する。モビリティサービスに関して高い専門性を持つ外部企業との提携も視野に入れている。
日産自動車やホンダも、国内の大都市圏を中心にカーシェアリングに力を入れている。モビリティサービスの提供というよりも、他社のクルマを所有するユーザーとの接点を増やしたり、自社のモデルや技術の魅力を知ってもらったりする目的がメインのようだ。両社ともICカード付き運転免許証を会員カードとして使える他、月額料金を無料とするなど気軽に入会できるようにしている。
日産自動車は電気自動車「リーフ」とハイブリッド車「ノート e-Power」を対象車両とし、2018年1月からカーシェアリングサービスを開始する。「プロパイロット」「プロパイロットパーキング」といった運転支援システムの利便性を感じてもらう狙いもある。東京都や神奈川県といった首都圏を含め9都府県で展開する。ステーションは販売店や日産レンタカーの店舗に設ける。
ホンダは、東京都や横浜市、大阪市内の販売店などにカーシェアリングのステーションを展開。軽自動車や福祉車両も対象車種としている。サービス自体は2013年からスタートした。遠出のドライブを主なターゲットとした8時間の基本料金に、1km当たりの距離料金を加算するシンプルな料金体系とした。都市部でクルマ離れが進む中、気軽にホンダ車を利用してもらい、ファンを拡大するのが目的だ。
海外では、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダがそれぞれ、配車サービス企業への出資や交通サービス企業との協力を進めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.